2017年10月31日火曜日

脱肉食の勧めー続き 人工肉登場!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 脱肉食の新しい動きが
     活発になりつつあることを知っていただきます。


ねらい:
 今後の動向にご注目ください。
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前月の当ブログ
「脱肉食の勧め
  ‐ネアンデルタール人は肉食依存体質で滅んだ」で、
私の最近の食事でのおかずをご紹介しました。


魚の練り製品と油揚げ・揚げ豆腐などの
植物性タンパク質中心にしているということです。


ところがその後、
栄養学的には足りているのでしょうが、
歯ごたえ等の食感が物足りない、
と思うようになりました。


そこで、仲間に
肉の食感のある、
昔の人工肉的な植物性蛋白質食品が
出てくるのではないか」と話したりしていました。


そうしましたら

10月30日日経新聞夕刊にこういう記事が載りました。
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植物性蛋白質脚光 (本当にこんな特大フォントでした)

三井物産 エンドウ豆で食肉風、健康志向に対応


三井物産は昨秋に出資した米食品会社サベージリバーが
開発した「植物肉」を日本市場に投入する。
エンドウ豆から採った植物性たんぱく質を原料に使っており、
まずはハンバーガー用のパテを18年春ごろに発売する計画だ。
植物性たんぱく質を肉の分子構造に近づけることで
風味や食感などを再現した。


健康意識の高い消費者のニーズがあると見込んでおり、
高級ハンバーガーを手掛けるレストラン
などに販売する。


サベージ社は11年設立の食品ベンチャーで、
植物性たんぱく質による鶏肉や牛肉の代替製品
を手掛けている。


米マイクロソフトの創業者ビル・ゲーツ氏の財団や
米精肉最大手タイソン・フーズも出資している。
米国では高級スーパーのホールフーズ・マーケットが
16年から販売を始め、取扱店を広げている。


*植物性たんぱく質
植物に含まれるたんぱく質。
大豆に含まれる「大豆たんぱく」や
小麦に含まれる「小麦たんぱく」が主流だが、
近年は水草などを原料とする植物性たんぱくなどにも
注目が集まっている。

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この記事には、


これら代替食品は、
将来の食糧不足に備える狙いもある。
新興国の経済成長や世界人口の増加を背景に
食肉などたんぱく質需要の拡大が見込まれ
食肉価格の高騰も危惧されている、


と書かれていました。

 
お気づきでしょうか。
人工肉が高級品なのです。昔の人工肉とはその点が違います。
「健康のため」にお金持ちが食べるのです。


ですが、健康目的、食糧危機に備えるという目的以外にも
目的があります。


それは「脱肉食の勧め」の当ブログでの元祖であるマルタ・ザラスカ氏が
紹介されていたように、
動物を殺して食べることの野蛮さをやめようという主張です。


クジラだけでなく牛も豚も鳥もいけないのです。
確かにそう思う人がいておかしくありません。
私もだんだんそう思いだしています。


いずれにしても人工肉産業はこれからどんどん伸びるでしょうね。
お金のある方は投資されたらいかがですか!!!

問題解決について少し考えてみませんか!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 弊社の新しい研修の方法をご紹介します。
 問題解決とは何かについて少し考えていただく。

ねらい:
 できれば、研修受講を周辺の方にお勧めくださいませんか。
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現在は「研修冬の時代」と言われています。

日本のビジネス界が
旧来型のOJTでは対応できなくなってきているにも拘らず、
それに代わる有効な研修方式を見いだせないでいる、
現場が残業規制もあり超繁忙である、
などの理由から、研修受講者・研修受講時間が激減しているのです。

そこで研修会社でもある弊社は、
あらためて研修を受講する際の課題を究明し、
その課題解決をする新シリーズの研修を考案いたしました。

料金も高価・貴重なガイド類が提供されることを考慮すると
極めて「リーズナブル」です。


研修受講の課題と対策
 
研修受講の
課題
状況
新シリーズの対策
研修参加時間
の捻出
昨今の業務繁忙と残業規制で研修に参加する時間が取れない。
集合研修は1日だけにする。
必要技術
の習得
現在および今後に備えて、必要な技術は習得する必要がある。
技術内容を収録したガイド等を提供し、研修時間不足を補っていただく。
受講成果
の実現
ビジネスは「結果を出してナンボ」であり受講成果を出さなければならない。
プログラム内に実践期間と実践報告をする場を設けており、実践=成果の実現を強制している。

 新シリーズの研修は「エッセンス実践」シリーズと銘打っているのですが、
以下の6コースから構成されます。
今回、その後半のDEFの3コースをリリースしました。




詳細は、こちらをご覧ください。→ 詳細案内へ


後半3研修の共通テーマは「問題解決」です
ビジネス従事者は問題解決者であると言われています。

朝出勤すると、
上司が「すまないがこれに対応してくれ」と言います。
お客様や他の部門から「これはどうなっているか」
 と問い合わせがきます。
 
昨日までの課題も片付いていません。 
課題の解明には原因分析も必要です。
 
それらをやり繰りして会議にも出席しなければなりません。
場合によっては会議用の資料準備も必要です。
 
目標管理の対象にしているテーマの検討もしなければなりません。

これらすべてが問題解決です。

このいろいろな種類の問題をテキパキ解決する能力を身に付けなければ、
「彼は仕事ができない」「仕事が遅い」というレッテルを貼られてしまいます。

巷には、それらの処方箋のような「こうすればできる本」が
実にたくさん出ています。

それらを買ってみた方もおられるのではないでしょうか。
おそらくギブアップでしたでしょう?

そんなに簡単に問題解決能力が身に付くわけがないのです。

今回の新研修シリーズはこれまでの「こうすればできる本」と
どこが違うのでしょうか。


【新研修シリーズの特色】

新研修シリーズは、
前記課題に対応した以下のような3点セットの仕掛けによって
現実的成果が実現できるようになっています。


1.1日だけの集合研修は動機づけの場です。

独学で新しい方法を習得するのは至難です。
人間は社会的動物です。
他の人と一緒に学ぶとその気になれるのです。


その場では、
自習では理解や習得が困難な技法だけを学ぶようになっています。
演習テーマも、
残業削減や働き方改革、競争力強化、など現実的な「難題」をとりあげます。


研修コース名
集合研修で学ぶ中核技法
Dこれが目標達成の近道だ!
「目的・ねらい記述書」
Eこれが問題解決の王道だ!
「問題点連関図手法」
Fこれが要件定義だ!
要件定義の中の「目的・ねらい」の位置づけ


 2.1日研修では習得困難な技法を
   収録したガイドが提供されます。

それぞれの研修テーマは1日の研修で習得できるほど
底の浅いものではありません。

そこで、これまで長い期間や多くの労力・費用をかけて開発されてきた
手法解説やガイド、事例が小冊子やデータの形で受講者に提供されます。

これらを活用して実際の問題解決に当たることができるようになっているのです。

研修コース名
提供されるガイド類
D これが目標達成の
  近道だ!
  • MIND-SA基本手法ハンドブック
  • 目的達成手法コンパクトガイド
  • 各種目的・ねらい記述書様式データ
  • 目的・ねらい記述書事例集(約60点)
E これが問題解決の
  王道だ!
  • 問題解決バイブル(小冊子)
  • MIND-SA基本手法ハンドブック
  • 目的達成手法コンパクトガイド
  • 問題点連関図テンプレート(10点)
  • 問題点連関図事例集(約500点)
F これが要件定義だ!
  • ハイブリッド時代の要件定義ガイド一式
  • (手順書、様式・事例、ガイド)
  • MIND-SA基本手法ハンドブック
  • 目的達成手法コンパクトガイド


3.習得すべき技法を実践する場を設定しています。

皆様、実務的技能研修以外の研修で、
学んだことを実践したことがおありですか?
ほとんどないのが通例です。

そこで当研修シリーズでは、実践報告会を設定することによって
実践を「強制」するようになっています。
この予定があることによって「その内にやろう」から脱却できるのです。

この方法は弊社の多くの研修で実証済みで、
ほとんどの方が素晴らしい成果を上げる実践をされています。

他の方の実践結果の報告を聞けるのは一種のケーススタディで、
非常に多くのことを学ぶことができます。

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【新研修シリーズの問題解決手法の特色】


このDEF3研修で習得いただく問題解決手法については
以下のように他にない特色を持っています。


1.まず問題解決の種類分けをしています


 当然ながら、
 問題解決の種類によってどうすればよいかが異なっています。
 ところが「こうすればできる本」はその前提を明示していません
 これでは入り口で躓いてしまいます。


 新研修シリーズでは問題解決の種類を以下のように分けて、
 それぞれのアプローチ法をガイドしています。
 
 これをご覧いただけば、これらをいっしょくたにして
 「こうしたらよい」などのガイドが有効なわけがないことが
 お分かりいただけるでしょう。
 
  

詳細は、PDFファイルをご覧ください。→ PDFファイルへ


2.「問題解決=対策の立案と実施」の前に、
                   問題解決の目標設定が必要です。
 
 「何のためにその問題を解決する必要があるのか」です。

 「どうすれば残業が削減できるか」の前に
 「なぜ残業を削減しなければならないのか」の検討が必要です。


なぜ残業を削減しなければならないのか
どのようにして残業を削減するか
残業削減の実行

  残業を削減したくない人もいます。
 「仕事を仕上げるため」「残業代が必要」等々です。

 その人たちにとっては、残業削減の検討などしたくないでしょう。

 それでもなぜ残業削減が必要かが納得できれば、
 残業削減の検討をするでしょう。

 また、残業削減の目的によって、
 どのような残業を削減すべきかの方向性も出てきます。

 機械的な削減目標の設定や条件設定は愚の骨頂です。
 経営自体の方向性を狂わせてしまいます。

 当研修シリーズの手法では、
 問題解決対策の検討の前に、
 問題解決の「目的・ねらい」設定のプロセスを設けています。

 このプロセスは有効な問題解決にとって必須です。
 これを説いていない問題解決のガイドはまったくの無知か無責任です。


3.衆知を集めて検討する
  問題点連関図手法を基本に据えています。
 
 アイデアを出すだけでよいテーマなら、
 優秀な人が知恵を絞ればよいかもしれません。
 
 しかし、多数の人間が関わる業務の改善改革のテーマについては、
 どんな優れている人でも、有効な解決策が立案できるとは限りません。
 今回の衆議院選挙に対する小池氏の独断専行は失敗しました。

 システム企画研修株式会社が発明した問題点連関図手法は、
 過去30年間、2万人の受講者にもまれてきました。
 衆知が衆愚にならないようなガイドが豊富に収録されています
 単純な「なぜなぜ5回」を越えた現実的ノウハウです。
 
 この問題点連関図手法は、
 目標設定と解決策検討の双方に適用ができます。

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さあいかがでしょうか。
「もう一度学びなおしてみようか」でも結構ですし、
「彼に受けさせてみようか」でも結構です。

ぜひ「ものは試し」でトライしてみていただけませんか!!

研修内容の詳細とお申し込みについては以下よりご参照ください。
http://www.newspt.co.jp/data/kensyu/open/essence.html

  

2017年10月30日月曜日

動物生態学は理系学科ですか?人文科学系でしょう!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 人類以外の動物が賢いことをしているという著書をご紹介します。
 その典型的な例をご紹介します。
 自然科学と人文科学の違いについて考えていただきます。


ねらい:
 人さまざまです。 
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霊長類の社会的知能研究における世界の第1人者といわれる
オランダのフランス・ドゥ・ヴァール教授の書かれた
「動物の賢さが分かるほと人間は賢いのか」を読みました。



この本の帯にはこういう紹介が載っていました。
「ラットが自分の決断を悔やむ」
「カラスが道具を作る」
「タコが人間の顔を見分ける」


「チンパンジ―は食べ物のありかを知っていることを悟られないようにふるまう」
「カケスは相手が何を欲しがっているかを見極めてプロポーズの贈り物を選ぶ」
「アシナガバチは一匹ずつ顔が違い、仲間の顔を見分けている」
「タコは自分を攻撃した人間を覚えていて、怒りをあらわにする」


こういう興味深い事実がえんえんと登場します。
その一例を以下に掲載します。


オウム
  • 言葉を話す(本文参照)
チンパンジー
ゴリラ
  • 手話をする(本文参照)
アジア象
イルカ
カササギ
  • 鏡を見て自分と認識する。(ミラーテストという)
チンパンジー
ザトウクジラ
野生のサル
  • 体制順応バイアス(「郷に入っては郷に従う」)
  • 本能ではなく、他人(母親、仲間など)がしていることを学ぶ(真似する)。
イルカ
  • 仲間の発する音(シグネチャーホイッスル)を20年も覚えている。
タコ
  • 背景の岩や水中植物に模倣する。
  • 人を覚えている。
カラス
  • 膨大な数の木の実を隠して覚えている。
  • 隠すところを見つかると、気づかれぬようにこっそりほかの場所に移す。

実際の文章の興味深い例を以下にご覧ください。

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私たちは日常的に考えや感情を言語で表現するので、
言語に役割をあてがっても大目に見ていいかもしれないが、
言葉が見つからなくて困ることがどれほど多いことか。

自分が何を考えたり感じたりしているのかわからないわけではないが、
それを言葉でどう表せばいいか、どうしてもわからないのだ。

こんな苦労は当然ながら不要のはずだ
――もし思考や感情がそもそも言語の産物であれば。

もしそうなら、言葉が滝のようにあふれ出てくるはずだろう!
今では広く受け容れられているように、言語はカテゴリーや概念を提供して
人間の思考を助けはするものの、思考の素材ではない。

じつは私たちは、思考に言語を必要としない。

認知機能の発達の研究におけるスイスの草分けであるジャン・ピアジェは、
言語習得前の子供は思考できないなどとは、けっして認めなかった。

だからこそ彼は、認知は言語から独立していると断言したのだ。

動物についても、状況はよく似ている。現代的な心の概念の形成を主導した
アメリカの哲学者ジェリー・フオーダーは、こう言っている。

「自然言語は思考の媒体であるという主張の明白な
(そして、十分な、とも考えるべきだった)反証となるのは、
言語を持たずに思考する生き物の存在である」


なんという皮肉だろう。

言語の不在が人間以外の種における思考の存在を否定する論拠だった
時代から、私たちははるかな道のりを歩んできて、言語に頼らない
生き物が明らかに思考をしている事実が
言語の重要性を否定する論拠となる所まで来たとは。

私は事の成り行きに不平をこぼすつもりはないが、その成り行きは、
アレックスのような動物を対象とする言語研究に負うところが大きい。

そうした研究が動物の言語そのものの存在を立証したからではなく、
私たちが簡単に理解できるかたちで動物の思考力を
明るみに出すのを手伝ったからだ。

私たちは、賢そうな鳥たちが、話しかけられれば応え、
物の名前を非常な精度で発音するのを目にする。

さまざまな色をした、羊毛でできた物、本でできた物、
プラスティックでできた物が
いっぱい載ったトレイがアレツクスの前に置かれる。

アレックスは一つひとつを嘴と舌で触るように促され、それから、
全部をトレイに戻したあと、
二つの角がある青い物は何でできているか訊かれる。


「羊毛」と正答するとき、彼は色と形と材質の知識を、
特定の物がどんな感触だったかという記憶と組み合わせている。

あるいは、緑色のプラスティック製の鍵と金属製の鍵を見せられ、
「何が違う?」と訊かれると、「色」と答える。

「どちらの色のほうが大きい?」と訊かれると、「緑色」と答える。

アレックスの研究の初期段階で私が目にしたように、
アレツクスが課題をこなすのをわが目で見た人はみな、肝を潰す。

むろん、懐疑的な人々はアレックスの技能を
丸暗記による学習の結果としようとしたが、
使われる物も、与えられる質問も絶えず変わっていたので、
手持ちの答えだけでこの水準の実績を残せたとはとうてい考えられない。

すべての可能性を処理するには厖大な記憶が必要になっただろうから、
アイリーンがしたように、アレツクスが基本的な概念をいくつか習得し、
それらを頭の中で組み合わせられたと考えるほうが、じつは単純だ。

そのうえアレックスは、アイリーンがいなくても答えられたし、
現物を目にする必要さえなかった。

トウモロコシがなくても、
トウモロコシは何色かと訊かれれば「黄色」と答えた。

とくに感心させられるのが、「同じ」と「違う」を区別するアレックスの能力だ。

この課題には、さまざまな面で物を比較することが求められた。
名前を言ったり、比較したり、色や形や材質を判断したりといった、
これらの能力はみな、アレックスが
訓練を始めた頃には言語を必要とすると考えられていた。

アレックスの技能がなかなか世の中に認めてもらえないので、
アイリーンはいまいましい思いで悪戦苦聞を続けた。

鳥類の能力に対する疑念は、私たちの近縁種である、人間以外の
霊長類の能力に対する疑念よりもはるかに根深かったから、なおさらだ。

だが、長年にわたって辛抱を続け、確固たるデータを積み重ねた結果、
アイリーンはついにアレックスが有名になるところを目にして
溜飲を下げることができた。

2007年にアレックスが亡くなると、「ニューヨーク・タイムズ」と
「エコノミスト」の両紙が訃報を載せて彼を讃えた。

この間、アレックスの親戚にも世間を感心させる者が出始めた。

あるヨウムは、声を真似るだけではなく、それに合わせて体も動かした。

飼い主をお手本にし、「じゃあまた(チャオ)」と言いながら、
片方の足か翼を振って別れの挨拶をしたり、
「僕の舌を見て」と言いながら、舌を突き出したりした。

鳥が人間の体と自分の体との間で、そのような類似性をどうやって
把握できたのかは謎のままだった。
そして、フィガロというシロビタイムジオウムの例もある。
彼は自分が入れられた大きな檻の木の梁から細長い木片を折り取り、
檻の外に置かれた木の実を取るのに使った。

フィガロ以前には、道具を製作するオウム科の鳥の事例は一件も
報告されたことがなかった。
このような事例に接すると、コーツも飼っていたヨウムやコンゴウインコで
同じような実験を行なったことがなかっただろうかと考えてしまう。

彼女は道具に強い関心を抱いていたし、未訳の本が六冊あるのだから、
実験を行なっていたといつの日か聞いても、私は驚かないだろう。

発見するべきことがまだたくさんあるのは明らかで、
それはアレックスの計数能力のテストからも明らかになった。

アレックスの才能は、コウモリの反響定位の発見者
ドナルド・グリフィンにちなんでグリフィンと名づけられたオウムを、
アレックスと同じ部屋で研究者がテストしているときに偶然明らかになった。

グリフィンが数と音を組み合わせられるかどうかを調べるために、
研究者たちはクリック音を、たとえば二度立てる。

その場合の正解は「二」だ。だがグリフィンが答えられなかったので、
さらに三度、クリック音を立てると、
部屋の向こうからアレックスが「四」と割り込んできた。

そのあとさらに二度、音を出すと、アレックスは「六」と言い、
その一方でグリフィンは黙ったままだった。

アレックスは数になじみがあり、緑の物もいくつか交じった、
多くの物が載ったトレイを見せられたあとで、「緑の数は?」といった
質問に正しく答えられた。

だが、今度は足し算をしていたわけだ。

そしてそれ以上のことも。
なにしろ、視覚的な情報なしでやっていたのだから。

かつては足し算も言語に依存していると考えられていたが、
その考え方は数年前、チンパンジーが足し算に成功したときに、
すでに揺らぎ始めていた。

アイリーンはアレックスの能力をもっと体系的にテストすることにし、
パスタの小片など大きさの違う物をいくつかカップの下に置いた。

そして、アレックスの前でカップを数秒間持ち上げ、それからまた下ろした。
そのあと、二つ目のカップでも同じことをし、
さらに三つ目のカップでも同様にした。

カップの下の物の数はわずかで、一つもない場合もたまにあった。

それから、中身が見えず、三つのカップだけが見える状態で、
「全部でいくつ?」と訊いた。

10回のうち8回で、アレックスは正しい合計を答えた。

間違えた二回では、もう一度質問されたときに正答した。

しかも、実物は目にできないのだから、すべて頭の中で計算したわけだ。

あいにく、この研究はアレックスが不慮の死を遂げたために中断した。

だがそれまでに、灰色の羽毛をまとったこの小柄な数学の天才は、
鳥の頭蓋骨の中ではそれまで誰も思ってみなかったほどの思考が
行なわれている証拠をたっぶり残してくれた。

アイリーンはこう結論した。

「あまりにも長い間、動物全般、そしてとくに鳥類は侮られ、知覚力の
ある生き物ではなく単に本能に動かされている生き物として扱われてきた」

どこまでが本物の言語能力か?


アレックスが口にする言葉は、ときおり完璧に意味を成していた。

たとえばあるとき、アイリーンが学科の会合のことで頭にきて
腹立たしげな足取りで研究室に入ってくると、
アレックスは彼女に向かって「落ち着いて!」と言った。

アレックス自身が興奮し易いから、
きっと以前に同じ言葉を向けられたのだろう。

他にも有名な事例がある。

手話を操るゴリラのココは、シマウマを見たときに、
自然に「白」と「トラ」を意味する手話サインを組み合わせたし、
この研究分野〔手話習得〕では先駆者のチンパンジーのワショーは、
白鳥に「水の鳥」という呼び名をつけた。

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ですが私は400ページあるこの本の記述方法に辟易としました。
私の苦手な人文科学系の記述なのです。

動物学は自然科学系の学問ではないのか?と思いました。

そこであらためて、人文科学と自然科学の違いを整理してみました。
こういうことではないのでしょうか。
 
因みに、社会科学は人文科学的ですが一部自然科学的な面もあります。
 
自然科学と人文科学の比較
 
比較項目
自然科学
人文科学
学問の特徴
真理探究
なぜの探求、正解がある
事実探求
事実は存在している。
それを現人類として見つけ出す
研究のアプローチ
実験、思考
調査
研究のゴール
発見
体系化、意味付け
学者として評価されること
発見、発明
多くの実験をしてもそれだけでは評価されない
多数の事実収集(これだけでも評価される)
体系化、理論化
成功要因
(ノーベル賞受賞のカギ)
頭脳のキレ、ヒラメキ
着眼、努力の継続
著書の傾向
理論的・構造的・体系的
(知りたいことは目次で分かる)
事実の羅列(どこに何が書いてあるか分からない)

 人文科学は、研究のゴールが体系化・意味付けであるのなら、
著書は、
その区分に従って章建てをしていただければ嬉しいですね。
 
今回の「人間は――」の本の目次はこうなっています。
これではお手上げです。
 
第1章 魔法の泉
第2章 二派物語 
第3章 認知の波紋
第4章 私に話しかけて
第5章 あらゆるものの尺度
第6章 社会的技能
第7章 時がたてばわかる
第8章 鏡と瓶を巡って
第9章 進化認知学

対して、自然科学の著作では、
発見した事実自体は単純でしょうから、
それを1冊の本にすることはたいへんでしょう。
 
そのせいか、
自然科学者の専門領域の一般書で面白いのは記憶にありません。
そこで、次の疑問が湧きました。
 
動物学は自然科学なのか人文科学なのか。
皆様どう思われますか?
 
一般的には自然科学でしょうね。
著名な動物学者はみな理学部か農学部で理系です。

動物学といっても広いですから、
動物の遺伝学・進化学や生理学は確かに理系でしょう。
 
ですが、
動物の生態を調べる動物生態学は
人文科学系ではないのでしょうか。

今回の著書がそうなっています。
 
学問分野を選ぶときには自分の特性を考えて選択しないと
迷路に迷い込むことになりそうです。
 
 

中国・北朝鮮の強さ!!日本どうする?徒然草

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 中国の軍事力以外の技術レベルの上伸に驚愕します。
 戦略的な重点志向の強さを知ります。
 日本はどうすべきかをつれづれに考えます。
 我が社がどうすべきかを考えます。
 
ねらい:
 すべて何とかなってほしいです。
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【独裁国家の強さ・怖さ】


「中国の配車・相乗りサービスの適適出行が日本に進出」
という記事が10月30日日経新聞トップ記事で載っていました。
なんと、この会社はこのサービスで世界最大手なのだそうです。


配車サービスは新興事業ですが、
米国のウーバーテクノロジーが世界最大手と思っていました。


何日か前に太陽光発電で、ヨーロッパ・日本の企業が、
中国の企業に太刀打ちできないという報道がありました。


10月22日のフジテレビ新報道2001で、
中国の監視カメラ追跡技術が
世界最先端をいっていることが示されていました。
国民の不穏な動静を見張るためにこの技術が発達してきたようです。


中国は低賃金の産業で稼いでいると言われたのは、
もう遠い昔のようです。
先端技術でも世界のトップを走るようになっているのです。


日本から技術を盗んだなどとは言えなくなってきています。


周近平国家主席が、
2030年に米国に並ぶとか追い越すとかの大国になると言う目標は
絵空事ではなくなってきています。


かたや北朝鮮は、
他国の技術支援を受けているでしょうが、
ICBM、小型原爆の開発で成果を上げています。


国民の生活を犠牲にして大きな国家予算をつぎ込んでいるのです。


こういう例をみると、
1点集中すると何でもできる、という風に思えます。


人智には民族の差はそれほどないのでしょうから、
どれだけのエネルギー・知恵をそこに投入するかで
結果が違ってくるのです。


そうなって来ると、独裁体制と自由主義体制との勝負です。
独裁体制は、トップの戦略的判断が正しければ伸びます。


自由主義体制は、
自由の良さを活かせる国の制度が強さのカギです。


ITの世界では、一般を対象にしたサービスでは、
自由体制有利ですが、
軍事利用となると独裁体制有利となります。


【日本の対策】


今の日本はどうでしょうか。
中途半端なのです。


日本は和を重んずるのですから、
意思決定の早さが勝負のこの時代の流れについていけません。


どうしたものでしょう?


二つの領域での対策が必要です。
一つは国家レベルの対策、
もう一つは企業・組織体レベルでの対策です。


【日本の国家レベルの対策】


まず、国家レベルの対策につきましては、
強い産業を育てるための積極的助成と規制緩和が必要です。


ITの世界では、
一般的なAI/IoTの世界ではもう勝ち目がありません。


中国の監視カメラ技術のような応用領域で
日本の強みを活かせる領域は何があるでしょうか。


日本の強みは、何でしょうか。
物づくり技術はもうロボットに負けます。強みになりません。


強みはこれです。
 高齢化先進国
 きめ細かい気づき
 ロボット


そうすると、この3者を組み合わせた領域では
絶対に世界に勝てるはずです。


既に、介護の世界でロボットを活用する研究・実用化は
進んでいるようですが、
これを日本の最重点戦略領域として
傾斜的に予算・人材を投入したらよいのではないでしょうか。


この3者に「ゲーム」を加えると、
高齢者が体を使って遊べるロボットゲームが作れるでしょう。
この方が介護よりも前向きで明るい世界です。


ビジネスだからと言って、民間に任せるのではなく、
日本の産業生き残り策として国の課題とすべきです。
安倍総理に頑張ってもらいましょう。


【企業・組織体レベルの対策】


日本で独裁型の企業が発展している大企業の例は、
永守社長の日本電産、柳井社長のユニクロ、孫社長のソフトバンク、
などしかありません。
みなオーナ企業です。


オーナ企業ではありませんが、
トップの判断力で伸びているのは
古森CEOがリーダシップを発揮している富士フイルムですね。


昨今、大企業では沈没しかけている企業の方が目立ちます。


我が社はここ10年
ソフトウェアエンハンス(保守)業務の革新支援一筋に
打ち込んできました。
数社のご協力もありそれなりの素晴らしい仕組みができました。


ですが、まだ日が射してきません。


「変わりたくない症候群」の現場の壁に阻まれています。


現場は新しいこと、仕事のやり方を変えることに抵抗します。
今の仕事のやり方を覚えて、自分の安定的立場を作っている
既得権益者です。
昔、「業務の機械化」を進める際にも現場の抵抗に苦労しました。


その壁を突破できないトップにも責任があります。
一般的日本企業ではトップダウン思考がないか薄いのです。


日本人の多くは、
幼少のときから責任を持って自分の考えで意思決定する、
そういう習慣を身につけていません。
ですから、これは根が深い問題です。


安定期にはそれでよかったかもしれません。
今は低成長ですが安定期ではありません。
変革期です。
世界でどんどん新陳代謝が起きているのです。


再々私が例に挙げていますが
日本の電機業界がダイソンの掃除機に負けたのです。
日本の技術であれが作れなかったのではありません。


作ろうとしなかったのです。
おそらく、日本の誰かは作ろうとしたでしょう。
それを誰かが潰したのです。


トップが意思決定するには、変革期だからといって、
やみくもにヤマカンで意思決定するわけにはいきません。


当然のことながら、的確な意思決定には、
自分で判断すべきことかどうかの振り分けと
自分で判断すべき案件の判断力


が必要だということになります。


【トップの問題振り分け能力】


まずは、問題の振り分けです。
部下に任せてよい問題か
自分で判断しなければならない問題かを
判断しなければなりません。


「丸投げ」も「何にでも口を挟む」もダメです。
直感であれ何であれ、
その振り分けが的確にできる人は社長の資質があります。
基本的には、部下を信頼するかどうかとは別の問題です。


問題の振り分けをするために有効な
トップあるいは上に立つ方にお勧めの思考法があります。


案件に対して「それは何のためか」と問うことです。
意思決定案件は、通常の場合、
「この案件についてこうしたい」「こうしたらよい」
という内容になっています。


上に立つ者としては、その案件がどういう意味を持つのか、
どういう効果があるのかが重要です。
それを確認する質問が「それは何のためか?」なのです。


この思考法は
日本の大企業250社に提供した方法論MIND-SAの
基本部分です。


その後社長になられた何人かに
「あの思考法を使って非常に役に立った」と言っていただきました。
部下の提案に対して「それは何のためか」と聞くと
検討の不備が露呈するだけでなく、ことの本質が把握できた、
と言われるのです。


この「それは何のためか」の確認結果によって、
自らが関与すべきことか任せてよいことかの判断ができるのです。


【トップのYES/NO判断能力】
もう一つは、対象案件の是非・YES/NOの判断です。
これには先を読む力が必要です。


私は、日経新聞の「私の履歴書」を愛読していますが、
登場される方は日本社会の成功者です。


どなたも何回か重要な意思決定場面に遭遇しています。
その意思決定の成功要因は「先を読む」ということです。


多くの成功者に共通しているのは、
本流の社内にずっといたのではなく、
傍系の会社や海外駐在の経験をお持ちです。


社内にいる場合も当時の中核事業ではなく
陽の当らない事業の担当をされています。


私が在籍した帝人の「凋落を止めた」安居祥策社長も
その典型でした。


そういう本流ではない経験が事業や案件を
客観的にみる能力を養成するのですね。
本流では流れに乗るしかなく冒険はできません。


「かわいい子には旅させよ」の言い伝えは
まさにそのことを言っているのですが、
英才教育の対象者に限定される対策です。


米国のケースステディ型学習は、ミニ異質体験型学習です。


私がご提示できる対策のヒントはこうです。


判断対象案件での「目的・ねらい」(期待効果)で
 「早くする」
 「変化対応性が増す、柔軟性・弾力性が増す」
を重視するのです。
この評価要素はこれからの時代の要請です。


【当社の課題対策】
以下の問題提起を本稿の中間で行いました。


 我が社はここ10年
 ソフトウェアエンハンス(保守)業務の革新支援一筋に
 打ち込んできました。


 ですが、まだ日が射してきません。


1.1点集中しているのです。ですが、
2.現場の「変わりたくない症候群」に阻まれています。
3.トップも現場の言いなりです。
と、愚痴を並べました。


最終的には、
トップをその気にさせられないわが社の力不足にも責任があります。


どうしたものでしょうか。
その答えを知りたくてここまで書いてきたのです。


対策の一つは「相手の立場で考える」です。
現場が変わりたくないというのなら、
抵抗する現場がないところを狙ったらどうか、ということです。


それで、業界用語で「巻き取り」というのですが、
他のベンダのサービスを受けているお客様に働きかけて
「こちらのサービスの方が御社のお考えに合いますよ」
と他のベンダから巻き上げるのです。
これだと抵抗勢力はいません。


好材料としては、一般的な情報サービス事業としては
エンハンス(保守)業務サービスの比率が7割程度であり、
積極的に事業拡大をしようとすれば、
この領域に踏み込まざるを得ないという点です。


巻き取りの事業をしませんかと
事業マインドの強い社長様に営業活動を始めています。
ここの壁は日本的取引慣行はドライではなく、
よほどでないと「変える」ということにならないことです。


それと属人化している業務を巻き取るには、
それなりの仕掛けを用意する必要があります。


そういう困難を乗り越えようという事業家を探すのは
楽ではありません。
しかし、現場の壁、トップのリーダシップ不足と戦うよりは
精神的負荷は小さいのです。


日本のエンハンス業務の低生産性に悩まされている
利用者、管理者、従事者のご苦労を緩和したい、
ということで始めているこのビジネスですが
まだまだ明かりは見えてきていません。


何かアドバイスをいただけませんでしょうか。