2015年5月31日日曜日

ニトリさんの成功は運??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 似鳥社長はどんな運に恵まれていたのかを確認いただく。
 運だけの成功ではなかったことを確認いただく。
 (私の疑問にお付き合いいただく)

ねらい:
 運を呼び込む粘りをしましょう!!

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2015年4月の日経新聞「私の履歴書」は
ニトリホールディングス社長の似鳥昭雄さんでした。

「このかたは何と運に恵まれた人だろう」と感じました。
「私の履歴書」に登場するかたの成功要因は、
ほとんどが努力なのです。

ところが、飛び飛びに読んでいた時の似鳥さんの印象は、
少し状況が良くなると、遊びまくったり、楽をしたり、
脇が甘くなって付け込まれたり、とか
(2度も信用して採用した幹部に裏切られています。
危うく会社を潰されるところまで行っています)
決して感心できるものではありませんでした。

それでも大成功できたのは、
運としか言いようがないと思いました。

現に最終回で似鳥さんはこう言っておられます。
「目標達成は社員など周囲の助けのおかげで、
運が8割だ」

あらためて、通して読みなおしてみて、
どんな運だったのかを確認してみました。

1、今の奥様と結婚できたこと。
 1968年創業間もない時に
 奥様が店の前面に立ち売上を上げました。
 似鳥さんは裏方に徹することができたのです。
 これが突出した最大の運です。

2.1973年米国の家具店の視察ツアーに参加したこと
 たまたま誘われて参加したのですが、
 これが、その後のニトリビジネスの大きなヒントとなりました。

3.渥美俊一先生の門下生になれたこと
 八方破れの似鳥さんに成功の大原則を厳しく指導されました。
 たまたまのご縁で門下生になれたのです。

4.飛躍の重要なステップとなった函館店の土地買収の際、
 幹部のお兄さんが拓銀の支店長になり口座を開くことができ、
 借地が成功した。

5.その後製造部門の責任者をされた専務に
 飛行機で隣に乗り合わせた。

あらためて読みなおしてみますと、運ではなく
粘り強さや機転で大きなビジネスチャンスをたくさん掴んでおられます。
これは普通の成功物語です。

幼少の頃は、貧しい生活をされました。
激しいいじめにもずい分あいました。
両親の指導は極貧の生活環境でありながら、
非常に厳しいものでした。
似鳥さんが家出をしてしまうほどなのですから。

小学校で
自分の名前を漢字で書けないのは似鳥さんだけだった、
というくらい勉強もできませんでした。

この逆境が
ピンチに動じない、
ピンチをチャンスに変える原動力となったのでしょう。

「運も実力のうち」と言います。
努力をしていると運を呼び込むことができるのです。

誰しも一生のうちに何度か運が巡ってくるらしいです。
その運をものにできるかどうかがその人の才覚なのでしょう。、

ということで、
似鳥さんの成功は運だけだったのではないと
確認いたしました。

2015年5月30日土曜日

NPTとは何ぞや??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 核拡散防止条約(NPT)の矛盾点について考えていただく。
 核兵器は無くならないのだろうかと考えていただく。
 大国のエゴについて再認識していただく。

ねらい:
 どうしたらよいのでしょうか????

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5月22日、国連本部で4週間に亘って開催されていた
核拡散防止条約(NPT)再検討会議は決裂し
全会一致を前提とする合意文書は採択されませんでした。

24日の日経新聞から
NPTとは何かについての解説を転載します。

 核不拡散、核軍縮、原子力の平和利用が目的の条約で
 80年に発効した。
 米英仏ロ中の5カ国には核兵器の保有を認め、
 その他の国には禁じている。

 保有国には核軍縮交渉を義務付け、
 非保有国には原子力の平和利用の権利を認めている。

 5年に1度、核軍縮や不拡散の再検討会議を開く。
 加盟国は191カ国。
 インド、パキスタン、イスラエルは未加盟。
 北朝鮮は2003年に脱退を宣言している。

岩波書店から
「NPT 核のグローバル・ガバナンス」
という5人の論者による解説書が出ています。


















当書の帯には
NPTは「核なき世界」をもたらすか?と書かれています。

ご承知のように、
核兵器は実際に使用することはほとんど不可能ですが
(敵の反撃なしに戦いを終了させる見通しが持てないから)、
核兵器を保有していることが、
敵の攻撃を抑止できるのです。

したがって、核保有国と非保有国では
戦争能力では圧倒的な差があります。

したがって、戦争をしなければならない可能性のある
インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮は
万難を排して核兵器を保有するのです。

当然のことです。

核保有国が「俺たちはいい、お前たちはいかん」
というのはエゴで、
そんな身勝手な理屈は通らないでしょう。

私は、以前このブログで
「北朝鮮の核兵器保有をアメリカが非難している」
のを身勝手だと批判しました。

NPT条約には191カ国が参加していますが、
ほとんどが非核保有国です。
それらの多数の国が核の削減や廃絶を要求しますが、
核保有国は自らの論理・都合で核兵器の保有・強化を続けます。

目下の核軍拡派はロシアと中国です。
より強い国に対抗するにはそうせざるをえないのでしょう。

やるなら、一斉に誰も持たない、ということにすることですが、
国家は誰しも強くなることを目指すのでしょうから、
現実の抗争がある世界でそんなことが
実現できそうにありません。

再検討会議が全会一致を前提にしているのは、
非核保有国の多数決で決められたら困るからです。
こんな身勝手ってありますかね!

よくこんなNPT会議が続いています。

それは、
人類が核兵器の悲惨な使用結果を避けたいという
思いが強いからですが、
今回の検討に参加された方々は空しい思いでしょうね。

NPTの不平等性について
NPT書の「はじめに」で秋山信将氏はこう述べています。

NPTは、その特徴を並べてみると、
それが極めてユニークな存在であることに気づく。。

第1に、
主権国家間の平等性を最も重視する国際社会にあって、
核兵器の保有が許される国(条約上は、核兵器国と呼ぶ)と、
許されない国(同様に非核兵器国と呼ぶ)を
法的に明確に区別する、不平等条約である。

NPTは、1967年1月1日前に核実験の成功した国に対して
核兵器の保有を認める一方、
それ以外の国に対しては核兵器の保有を禁じ、
核兵器が国際社会に拡散することを防止する
ことを主たる目的としている。

中略

核兵器の拡散はその行為そのものが禁止されている一方で、
このような不平等性を解消するための努力としての
核軍縮については、
条文上では「誠実に交渉する義務がある」だけである。

核兵器国と非核兵器国は、法的な地位だけでなく、
条文上の義務についても不平等に見える。

中略

NPTの条約は、それが存続する限り
このような不平等な状態を固定化することになる。

主権国家間は平等であるという
建前を最重要視する国際社会にあって、
その国家の存立にかかわる安全保障の問題で
不平等性を持つこの条約は、
これだけ多くの締約国を抱え、
多様な思惑が交錯する中でどのように運営されているのであろうか。

本書の構成はこうなっています。

第1章 核兵器不拡散条約(NPT)の成り立ち       秋山信将
第2章 再検討プロセスにおけるグループポリティックス 西田充
第3章 核軍縮の現状と課題                  戸崎洋史

第4章 核不拡散と平和利用                  樋川和子
第5章 中東の核兵器不拡散問題と対応           戸崎洋史
第6章 「核の非人道性」をめぐる新たなダイナミズム   川崎哲
第7章 市民社会とNPT                     土岐雅子

ご関心のある方はお読みください。
   



「速さはすべてを解決する」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 改善の着眼の第1が速くすることだということを再認識してただく。
 仕事を速くするにはどんな方法があるかを知っていただく。

ねらい:
 「速さがすべてを解決する」を読んでいただく。
 ご自分にできる改善策を見つけていただく。
 いつも改善することを心がけましょう!!

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この書名の著者赤羽雄二さんは、
東大工学部出で
小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に従事、
スタンドフォード大学大学院に留学(機械工学修士)
マッキンゼー社に14年間勤め
2002年に
「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを目指す
会社を共同創業してコンサルタントして活躍されている方です。

因みに、
はやさには速さと早さがあるが、
本書ではそれを速さで代表させている。
仕事などが速くなれば結果として早くなるからだ、
と言っておられます。
そのとおりです。

当社のMIND-SAでは、
ビジネスの価値目標は、
お客様が望む「早い、うまい、安い」を実現することだ、
そうすれば、お客様に喜んでいただけ、売上も上がる、
と言っています。

「早い」が一番なのです。
伝統的なQCDでは品質が一番初めに来ています。
今は品質は2番めですね。


著者は、どうすれば仕事が早くできるか、成果を早く出せるか、
いつも考えておられて実践されていることを本書で紹介されています。

基本コンセプトは「どうすればもっとましになるかいつも考えよ!」
ということで、これには私も全面賛成です。

項立てはこうなっています。

 日本人の生産性はなぜ低いのか (ごもっとも!)
 あなたの仕事が遅い理由 (そうです!)
 速さが解決する5つのこと (そうですね)
 スピードは永遠に上がり続ける (そうです!)

 スピードを上げるための8つの原則

 思考のスピードを上げる具体的な方法
  メモ書きでゼロ秒思考を目指す。
  
  本当に仕事で使える問題把握力・解決力とは
   「普段からものごとをしっかり考えていなさい」
   ということであまり具体的ではありません。
   ここだけはMIND-SAが勝っています。

  異次元のスピードをもたらす仮説思考  
   そのとおりです。 
   MIND-SAの手順は仮説検証型です。

  ゼロベース思考にも取り組む
  「深堀り」で真実を探求する
   
第4章は、「スピードと効率を極限まで上げるノウハウ」です。
 
けっこう改善が好きな私でも「実行できないな」と思う項目が多く、
「そこまでやるか!」という感じです。

 毎朝・毎晩30分を情報収集に当てる
 通勤時間は英語か読書を
 FacebookとTwitterのタイムラインを活用
 検索の表示件数を100にして別ウインドウも活用
 
 勉強会・セミナー、その後の懇親会に参加する (私も実行)
 展示会にはこまめに行く
 メールはカテゴリ別に日付順出一括保管
 メールも再利用フォルダに保存する
 
 丁寧に話を聞くことで、むしろ仕事は速く進む
 伝えるべきことを3,4点メモしてから話す
 「上から目線」が諸悪の根源
 ポジティブフィードバックに徹する

もっともっとたくさん提示されています。

こういうことを実践しておられるのですから、
赤羽さんは本当にスゴイ方です(おっと「上から目線」かしら)。

しかし、私にもできそうなことがいくつかありました。
 単語登録を200-300する。
  例 あ→赤羽雄二、よろ→よろしくお願いいたします。
    URLもしているようです。
  私は10個くらいしかありません。
  数が少ないので、「よ」で「よろしくお願いいたします。」になります。

 ファイルは頻繁に保存し,PCダウンにも備える。
  私もこの点は留意しているつもりがつい忘れて、
  手違いで入力したものを消してしまい
  1-2時間の作業が無駄にすることがあります。

 ホワイトボードマーカは
  「パイロットボードマスターの中字丸芯」が良い
  大事な商売道具です。

 伝えるべきことを遠慮せず伝える
  言い方には気をつけるが、結局それが目的達成の早道。

さあ、皆様も研究してみられますか。
日本人全員がこういうアプローチをすれば、
日本の生産性は格段に上がるでしょうね。


ニュージーランドに学ぶ!!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ニュージーランドから学びましょう。
 変革には強い力による断行が必要であることを再確認していただく。
 民営化。国民の自己責任制の拡大が国費削減につながることを
  再認識していただく。

ねらい:
 身の回りで自己責任を拡大しましょう。

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5月10日の「新報道2001」からの話題です。

ニュージーランドが日本より「幸せな国」だというのです。

1人当たりGDPが日本より上
人口は420万人 日本の30分の1
ほとんど民営化 農水省と農協も民営化
誕生から高校まで無料

なぜこんなことができるようになったのでしょうか。


経緯をネットで探るとこういうことでした。
(Wikipedia)

1984年労働党デビッド・ロンギが政権を勝ち取ると、
「国民の支持が得られなくともやるべきことは断行する」
との固い決意のもと、政権主導の改革を押し進めた。

ロンギ首相(当時)とダグラス財務大臣(当時)の改革は、
ロジャーノミクスと呼ばれる経済改革につながる。

主な事例として、
21の国営企業(電信電話、鉄道、航空、発電、国有林、金融など)
が民営化され、
その多くが外国資本に売却された。

大学や国立研究所は法人化され、
実質無料であった学費は大幅に値上げされた。

保護と規制は撤廃され、
外資に門戸を開き、許認可を極力なくし、
官僚の数は半減された。

これらの改革は、
ライバルの国民党が政権を奪還しても受け継がれ、
ニュージーランドはきわめて規制の少ない国になった。


新報道2001で紹介されていたことに
「電光石火がキーワードだ、
そうしないと抵抗勢力が反対する」
ということがありました。

そのとおりでしょう。
しかし電光石火でやるには、
ワンマン型パワーを持っていないとムリですね。
韓国のオーナ会社が次々と日本の企業を追い越して行ったのは、
このパタンです。

変化が激しい時代には
合議型・民主主義型統治は向きません。
日本の元気な大企業は皆ワンマン型会社です。

民主主義も絶対ではありません。
多くの人間が幸せを感じられるようにするための手段です。
合議をしていて負け戦になりみじめな状態になるなら、
それを望みますか?

もう一つ学ぶべき点は規制の排除による
官僚の削減です。

官僚も生活をする必要があるでしょうから
民間会社に転職すればよいのです。
ニュージーランドはそうしたでしょう。

規制の排除=国民の自己責任性の拡大です。
国民の自己責任制の拡大は非常に重要なキーワードです。
その点、日本は弱い面を持っています。
「お上意識」があり、何でもお上に頼るのです。

別項「今年のゴールデンウィークの成果」でご紹介した
公園の近隣の住民が
公園の遊具のブザーが鳴り通しでうるさいと
区にクレームをつけた、とか
公園に放置されている遊具で怪我をしたとクレームする
とかがあります。

そんなことは「自己責任で対応しなさい」と思います。

そうすれば行政費が安くなるのです!!

民営化、国民の自己責任制の拡大は大賛成です。
もちろん、自己責任をとれない「弱者」には、
自助努力を前提にしかるべき助けをすべきです。


2015年5月18日月曜日

橋下さんの負け!どう見ますか??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 大阪都構想の否決の原因を整理する。
 日本人の思考の弱さを痛感していただく。

ねらい:
 日本のことをもっと真剣に考えましょう。

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大阪都構想は僅少差で、
橋下さんの主張は退けられました。

この敗因を私はこう見ます。
取り急ぎのレポートです。

1.一番の敗因は、大阪都になって何が良くなるのか、
 を明確に示さなかった。

 この7年間の橋下治世の実績は、
 どちらかというと行政の効率化・無駄の排除でした。

 これは非常に大事なことなのですが、
 一般の区民にとってはあまりピンとこないことでしょう。

 サービスを受ける方が多い立場の高齢層にとっては、 
 サービスの悪化になりそうなことについてはエゴで絶対反対です。

 公約になりそうなことについては軽々に言えないことは分かりますが、
 そのために、都構想の明るい面が見えなかったのです。

 効率化で浮いたお金で税金を安くするのではなく、
 サービスの向上に向けることを示すべきです。

、高齢者施設の充実もよいでしょうし、
 婚活しやすい環境の造成とか、
 前向きでやるべきことはたくさんあるでしょうに。
 
 私は
 「地番沈下の激しい大阪を東京に負けないビジネス・文化の拠点にする」
 くらいのアピールをしても良かったのではないかと思います。
 いつ実現できるかはありますが、目標として示せなかったのでしょうか。

 実は、
 現在弊社が進めておりますソフトウェア保守(エンハンス)業務の改善でも
 同じようなことが言えます。

 私どもは「現状の仕事は徹底的に改善すれば半分にできる」と主張しています。
 しかし、半分にして終わりではなく、
 浮いた工数を前向きのビジネス支援に振り向けましょう、
 と主張しています。

 「効率化して終わり」では、当事者は何も嬉しくありません。

2.自民・共産・民主の結束に負けた
 これらの党は、何を考えているのでしょうか。
 本当に大阪府や市のことを考えているのでしょうか。

 地元の各種組織のエゴのご都合に乗っただけではないのか?
 選挙では、みんな御身大事ですからね。
 情けない!!少しは星雲の志を持ってくださいよ。

3.年寄りのエゴに負けた
 出口調査では、若い年代(50代まで)は賛成が多く、
 60代・70代以上は反対が多かったようです。
 
 いつものことながら年寄りは投票率が高く、
 若者は投票率が低いのです。
 年寄りは先のことより、今ですものね。
 若者が油断したからいけないのです。

4..都構想をきちんと評価していない
 どれだけの人が、
 都構想の内容をあるいはその必要性を理解したのでしょうか。
 テレビの街頭インタビューを見ていても
 雰囲気で判断している人、迎合的な人など、
 「ノリ」で判断している人が多いように感じられました。

 ということは、陣営の、
 マスコミを抱え込んだイメージ作戦に影響されます。
 そういう面でも1.の夢を提示できなかったことが響いています。

5.橋下さんの独断専行的な進め方に対する反発があった。
 これは、橋下さん自身も認めていることですが、
 改革は、合議では進みません。
 橋下流ならではだったのです。

 微温調好きの日本人はゆでガエルで、
 気がついた時には遅いのですよ。


大阪だけでなく、日本はこれからの社会を変えていける
重要なリーダを失うことになりました。

反対した大阪市民の責任は重大ですよ!!!