2015年2月14日土曜日

「反日韓国」の自壊が始まった」もう韓国をあまり責めたくないのですが


【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 呉善花さんの力作をご紹介します。 
 韓国の歴史を正しく認識しましょう。
 
ねらい:
 国とも個人とも韓国人の特性をよく理解して
  お付き合いしましょう。

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前置き
ナッツ姫が2月12日執行猶予なし懲役1年の実刑判決を受けました。
裁判官は、被告の提出した反省文を、
「本人が書いたものか疑わしい」と反省を認めずに
実刑判決となったもののようです。
そういう判断をするというのはなかなかのものです。

その背景には、国民の財閥に対する大きな不満があるようで、
裁判官はその点も考慮したようです。
この際、韓国民の精神構造をもう少し理解してみましょう。
            ーーーー-----

「『反日韓国』の自壊が始まった」は、
拓殖大学国際学部教授呉善花さんの著書です。















この書名は例によって出版社のでっちあげで、
当書の内容は、韓国人の思考・行動特性を
日本人と対比させながら客観的に分析している正当なものです。

呉さんは韓国出身なのですが、日本の歴史・文化・風習を
日本人以上に勉強しています。
ほんとうに感心します。

以下はかなりいい加減な要約になっています。
詳細は是非原典をお読みになってください。

第1章が「韓国の自壊が始まった」ですが、
ここに書かれている自壊は2点です。

一つは、セウォル号事件のような
無責任・手抜き工事や作業が頻発していること、
もう一つは、朝鮮戦争・ベトナム戦争での韓国軍の
非道極まりない蛮行が明らかにされつつあることです。

大虐殺や大暴行・大強姦です。
これはイスラム国やナチスに次ぐほどの
本当にすごいことだったようです。

こんな国家はもつわけがないという呉さんの主張です。

それは「反日」韓国ではなく、単に韓国の自壊なのです。

第2章以降になぜこんな無責任な行動が頻発するのだろう?
という分析が行われます。

基本線はこういうことです。

韓国人は、公(社会・国家等)よりも私(身内)を大事にする。
「ナッツ姫」事件も
公私の区別がつかない私優先での思考結果です。

他人と知り合うと早く身内にしたいと思うので、
馴れ馴れしくべたべたと接触したがる。

身内の関係はお互いに負担をかけあう・貸し借りを作るのが本来で
日本の習慣である「ワリカン」は他人行儀で冷たい、
とみるのだそうです。

以下のように正義の基準が日本や多くの国とは違っています。

血縁親族についてはその罪を隠すことすら正義と考えられている。
孔子の教えがそうなっている。
韓国の犯罪で偽証罪が世界的に群を抜いて多い、
韓国の誣告罪(人に刑事処分または懲戒処分を受けさせる目的で、
虚偽の訴えを起こす罪)の件数は日本の数千倍にも及ぶ。

呉さんの丁寧な実証的分析を、表として整理すると以下のようになります。

 呉さんの韓日比較分析

比較項目
韓国
日本
1.キリスト教信者
クリスチャン大国
現生のご利益を期待する
クリスチャン小国
2.近世の国の支配層

文人統治(李朝)
武人統治
3.国家の理念
事大主義
(大国に従う)
自立自尊
4.処世原則
理念主義
(観念的理想を求める)
実際主義
5.「悪」に対する寛容性
勧善懲悪
悪人正機
(善人なおもて往生す、ましてや悪人おや)
6.行動原理

孝(私)重視
忠(公)重視




500年以上続いた李王朝時代は
徹底した文人統治だったということは意外でした。
中国本土からしょっちゅう侵略され続けた国が
なぜ武を重視しなかったのでしょうか。

これは私の仮説ですが、こうだったのでしょう。
中国国家の強大さは、小国の朝鮮が多少頑張ってみても
どうにもなるものではなかったのです。

つまり武力は何の足しにもならず、
むしろ、中国にうまく取り入って滅ぼされないようにすることが
国を維持する戦略でした。
それをうまくさばく文人が優位だったのです。

文人統治と事大主義(大国に従う)は根は同じです。

理念主義と勧善懲悪とも根は同じで、観念的なのです。

これは、弱者の逃げの論理です。
現実的な目標の実現に努力するのではなく
キレイごとで誤魔化そうとするのです。

それも自立自尊ができなかったコンプレックスの裏返し
なのではないでしょうか。

忠(公)よりも孝(私)を重視するのは、
中国におもねる公など信頼できない、
自分の身は自分で守るしかない、ということなのでしょう。

神頼みをするキリスト教(福音派が多い)信者が多いのも
そのお国柄のせいでしょう。

こうして見ると、韓国のお国柄は、
自立できなかった事実をキレイごとでよく見せたい、
よく思いたいということからきていると解釈すれば、
すべて繋がってくるのではないでしょうか。

神様が見ているから悪いことはしていけない、
という意識がないので
冒頭に記述した残虐非道もできるのでしょう。

日本人は例外を除いて
そんな非道はしていないでしょうね。

上から目線で申し訳ないのですが、
以上のような韓国のよって来たるところを考えれば、
韓国の「言いがかり」には、寛大に対応してあげましょう。
韓国が非を通せばそれこそ自壊するでしょうから。

「100年予測は可能なのか」 日本どうなる?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 100年先を読むことを考えてみましょう。
 100年先を読んでみましょう。
 日本・中国・米国はどうなっているのでしょう。

ねらい:
 これからも先のことを考えるようにしましょう。

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このテーマ名は、東大経済学部の同窓会誌「経友」の
191号(2015.2)に新井淳一氏(日本経済新聞社元副社長)
が書かれた寄稿文のタイトルです。

氏は昨年刊行されたジョージ・フリードマン氏
(影のCIAと言われるらしい米国情報機関ストラトフォーの創業者)の
「100年予測」を読まれてこの寄稿をされています。

氏には、100年先を考える機会を与えてくださったことに感謝します。
氏の寄稿から主な内容をご紹介します。

1.フリードマン氏の21世紀予測
1)盛衰はあるが、基本的には世紀を通じて米国の時代が続く。
  米国の海軍が世界中のすべての海を支配している。

2)米国とイスラムとの間の戦争は近く終局を迎える。

3)勢力を回復したロシアは米国と第2の冷戦を引き起こす。
 20世紀の冷戦と比べればはるかに小規模で、
 前回同様、ロシアの崩壊で終結する。

4)米国支配への次の挑戦者は中国ではない。
 中国は本質的に不安定だ。
 沿岸部が豊かになっても内陸部は貧困のまま。
 国内で緊張・対立が深まる。
 加えて中国は海軍国ではない。

 (上野注:現在中国が海軍力を鋭意強化中なのは
  どう評価するのか)

5)今後、力を蓄えていき傑出する国になるのは、
 日本、トルコ、ポーランドである。

6)軍国主義の歴史を背負う日本が
 平和主義的な2流の大国のままで満足するはずがない。

 (新井氏・上野注:人口減で国家滅亡の危機。そんな余裕はない)

7)バルカン、コーカサス、アラブはどこも混とんで不安定だ。
 その中でトルコは混沌の中心であり、今後影響力を高める。

8)ポーランドの台頭の裏側にはドイツの衰退が絡む。
 ドイツは人口が急激に減り、外交的にはロシアに接近する。
 米国と一緒にロシアとの冷戦を戦う欧州の同盟国の盟主は
 ポーランドだ。

9)今世紀半ばには、新たな世界大戦が起きる。
 トルコ・ポーランド・日本が組み、米国連合と戦う。

 米国が3国の台頭を抑えようとして圧力をかけ、
 どの国も欲しないのに戦争になる。
 日米戦は宇宙戦争だ。結局は米国の勝利に終わる。

 (上野注:そこまで日本が軍事力を強化できるとは思えない。)
 今の日本の骨抜き精神で誰がそんな勇ましいことを考えるのか?)

10)大戦の勝利で米国は黄金の60年代を迎える。

11)世紀の終わりにはメキシコが台頭し米国と争う。
 米国南部地域で、
 人口バランスが崩れメキシコ人の比率が圧倒的な高さに。
 その結果、両国関係が悪化、戦争に至る。


2.新井氏の掲げる過去の長期予測の当った例
1)1952年に連載の始まった手塚治虫氏の「鉄腕アトム」
 主人公のアトムは2003年生まれとなっていた。
 鉄腕アトムの世界は2003年の日本でほとんど実現できていた。

2)レオナルド・ダ・ビンチは1505年に飛行機の予測をした。
 「鳥の飛翔について」という論文で
 「鳥は科学的な法則に従って動いている機械であり、
 人間もこの機械と同じものを作ることができるようになる」 
 と述べている。
 実現したのは400年後である。

3)トルストイの1886年作「イワンの馬鹿」
 30年後の現実の世界戦争のような空中戦争を描いている。
 飛行機が戦争で本格的に使われたのは第1次大戦である。

フリードマン氏は
「世紀を作る奔流」を掴んでいれば長期予測はできる、
と言っている、そうです。

3.新井氏の掲げる「奔流」
1)米国は経済、軍事、政治のいずれをとっても世界最強の国であり、
 そのパワーに本当の意味で挑戦できる国はない。

 しかし、21世紀も米国の挑戦する国もでてきて、
 20世紀よりさらに多くの戦争が起きる。
 戦争はたいてい偶発で起きる。

2)人口爆発の終焉が起こる。
 2050年になれば、先進国の人口は劇的に減少、 
 2100年までには途上国も総じて人口は横ばいになる。
 人口の増減が国の盛衰につながることがますます明確になり、
 世紀の半ばから先進国では現在と反対に移民の争奪戦が起きる。

3)国内に対立・不安が多くそれを克服できない国は
 発展しても限りがある。
 民族・宗教・文化の対立は20世紀と同様に国の命運を左右する。

4)宇宙を支配する技術、エネルギー技術の長じた国が力を付ける。

5)国と国の関係を地政学の観点から見る必要が
 従来にも増して重要になる。

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さて、100年予測といいますが、技術問題と政治・社会問題では
予測の難易度が異なると思われます。

前掲の当った3例はいずれも科学技術問題です。

政治・社会問題は多くの要因が絡むので予測は簡単ではなさそうです。

別稿の「日本国危うし!!歴史から学ぶ『国が滅びる時』!!」で
解説されたように歴史を参考にするしかなさそうです。

その点からすると、国が滅びる要因は、日本が最も大きく、、
米国は滅びる要因が少ないということが言えそうです。

◎:危険水準、〇:該当している、△:やや該当している、―:問題なし
国の滅びる要因
日本
中国
米国
工業社会への過剰適応
―注1
安全保障の軽視
移民による民族性の喪失(注2)
人口減少
経済至上主義
富の不平等(注3)

注1:米国は金融・IT・サービス産業化して
    いち早く脱工業社会となっている。

注2:移民による民族性の喪失については、
  各国とも直接これに該当することはなく、
  単に民族性の喪失として評価しています。

  日本:敗戦と戦後の占領軍施策により民族の誇りを喪失した。
  中国:多民族・少数民族との争いが起きている。
  米国:移民による多民族のるつぼ・混淆状態を力にしている。

注3:富の不平等を示すジニ係数(4.0が危機ライン)は、
  日本2.7(低い)、中国6.1、米国4近い

この分析が正しいとすると、フリードマン氏の予測は、
アメリカが勝つ(強い)という点は当っているようですが、
日本の予測については外れですね。
「何か天変地異・奇跡が起きない限り」

さあどうなるのでしょうか!!

2015年2月11日水曜日

日本国危うし!!歴史から学ぶ「国が滅びるとき」!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 国としての日本がおかれた危機的状況を再認識しましょう。
 どういう時に国が危ないのかを歴史から学びましょう。

ねらい:
 一人ひとりが反省と自覚をして行動しましょう。

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この項も愛読誌「致知」からのご紹介です。

月尾嘉男東大名誉教授(工学博士)と
中西輝政京大名誉教授(国際政治学が専門)との対談
「歴史に学ぶ日本のすすむべき道」です。

このタイトルからすると、
よくありがちな前向きなべき論かと思います。

ところが違うのです。
議論の中心は国はどういう時に滅びるかなのです。
要点をご紹介します。

1.この僅か60年余りの期間に200近い国が滅びている。
 代表例は、旧中国、東ドイツ、ソ連、

2.代表的な滅びた国
 カルタゴ(経済優先の国で国防も傭兵に頼った)
 古代ローマ帝国(「パンとサーカス」を国民が求め堕落)、
 唐(商品流通経済が謳歌され、文明が衰退して滅亡)

 ヴェネツィア(1797年ナポレオンに降伏。)
  16世紀以後階級が固定化し、貴族階級が国を支配した。
  固定化は変化への適応力が低くなる。

  彼らは結婚しなくなって人口が減って衰退した。
  それまでの繁栄の基だった貿易をリスクが高いと敬遠し、
  土地の資産運用で生活をするようになった。
  土地の分割で分け前が減るからと、子供を増やさなかった。  
  技術革新(造船技術)も怠って生命線を失ったことも敗因。
 
 19世紀のヨーロッパ(金融経済のグローバル化によって
  ヨーロッパに富が集中し、ヨーロッパ人の腐敗や傲慢さを生んだ。
  第1次大戦でヨーロッパ文明は滅びた)

 中国(共産党と文化大革命で伝統・文化を破壊した)
 ロシア帝国(共産主義がロシアにあったよきものを全部清算した)
 

3.国が滅びる原因
 滅びた国は他国に滅ぼされているのだが、自滅する要因も抱えている。
 
 民族性や人間性こそ国家を支える最も重要な柱である。
 
 1) 経済が最も重要な価値を持つようになった時が危ない。
  金銭至上主義の価値観が
  精神の腐敗・傲慢さを生みだして、国が衰退していく。

  また、富が不平等になると不満(マグマ)が爆発する。
 
 2)グローバル化で移民が流入し民族性が失われる国は弱い。
  (上野疑問。移民の国アメリカはどうなのか?)

 3)今の環境に安住する国は滅びる。
  生物界で過剰適応という概念がある。
  ある環境に最適な適応をしてしまうと環境が変わった時に滅びる。

  例:ニュージーランドには80数種類の鳥がいた。
    150年前にイギリス人が猫や狐を持ち込んだ。
    天敵がいなかったので飛べなくなっていた鳥34種類は滅びた。

 4)人口減少も滅びる要因である。
  ソ連も東ドイツの滅亡にもこの要因がある。

 5)安全保障(軍備)をないがしろにした国は滅びる
  第2次大戦の緒戦でフランスがナチスドイツに完敗したのは、
  文化に溺れて軍備を軽視したため。
  
参考:富の不平等ーージニ係数
 富の不平等さを示すジニ係数が4を超えると革命や反乱が起きる。
 
 中国は6.1で限界を超えている。
 (上位10%の人が64%の家計資産を持っている)
 アメリカは4に近付いている。
 (上位5%の人が60%の家計資産を持っている)

 日本はまだ2.7くらい。

4.日本はどうか。
 明治維新から日本は工業社会で成功した。
 その原理は画一性(大量生産原理)である。
 そこに過剰適応してしまっている。

 現在は情報社会である。
 情報社会の特長は「違う」こと(画一性の反対)である。
 適応できないでいる。

 人口減少にも直面している。

 安全保障を軽視またはタブー化している。

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以上の点を私なりに整理するとこうなります。
かなり危険水域に近付いていると言えそうです。
  
国の滅びる要因
日本の状況
工業社会への過剰適応
  ◎
安全保障の軽視
  ◎
移民による民族性の喪失
  ◎(注)
人口減少
  ○
経済至上主義
  ○
富の不平等
  △

 (注)民族性の喪失は、移民によっているのではなく、
 敗戦とその後の占領者米国の洗脳により
 自ら誇りと自信の喪失から生じています。

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以下に、両先生の安全保障に関する危機意識を
原文のままご紹介します。

(中西先生)
安全保障というものは政治や経済よりも、
また文化や芸術よりも大切な、国として究極のものですし、
この底が破れればあとは地獄なのです。

今の日本人はそういう話題は嫌がるでしょうけれども、
日本の安全保障は
そろそろ最後の第4コーナーを回っているように思います。

そう遠くない時期にアメリカの第7艦隊が日本から撤退し、
中国の航空母艦が伊豆七島近くまで出てくる事態が
私にはハッキリ見えます。

そうなると国土は一瞬にして制圧されて、
銀座あたりに五星紅旗が立つでしょう。

もうなりふり構わず、
日本人に警鐘を鳴らしていかなければならない時期に
入ってきていることを、私は痛感しています。

(月尾先生)
いまの日本には長期目標がないと思います。
明治の人々が考えたような、百年単位で国をどうする
といった目標がありません。

目標がないと何が問題かというと、
用意周到な準備ができないということです。

かつてのアメリカは極めて用意周到でしたし、
いまは中国が用意周到です。

中国は昨年末からニカラグア運河を掘り始めました。
いずれ米中対決を迎えた時に、
中国の息のかかったニカラグアを通って
大西洋への通路を確保しようと考えているわけです。

かつてアメリカがパナマ運河を掘削した時は
同じことを目指していたのです。

さらに中国はインドとの対決の可能性を予想して、
マレー半島の中央のクラ地峡に運河を掘ることも検討しています。

また北極海への進出も準備しており、
アイスランドの首都のレイキャビクで最も立派な大使館は
中国の大使館です。

ミクロネシア連邦に対しても、
中国は同国の国会議事堂の建設費を寄付した上で、
その真正面の好位置に立派な大使館を建てています。

中略

(中西先生)
国家の長期目標を考える時に、
三つ大切なことがあると私は思います。

一つは決して悲観論に陥らないこと。
日本人はいい精神状態になれば、
ものすごい創造性を発揮できる民族なのですが、
いまは日本社会全体にどうも悲観論が漂っている。

やっぱり根太い楽観主義のようなものを
何より大切に考えないといけませんね。

二つ目は合理主義です。
きちっと理にかなったことを考えること。

もちろん余裕がある時は様々な情緒的なものを加味しながら、
より肌身に合った社会を作っていくことが大切ですが、
追い詰められている時は徹底した合理主義でないと
生き延びることができません。

三つ目に大切なのは絆です。
私たちの若い頃は、
日本人の力の根源は集団主義であるとよくいわれていました。

いまは昔のような集団主義はよくない、とされ、
これだけでは人はまとめられませんけれども、
この頃は絆とか、思いやりとかの大切さが
再認識されるようになってきています。

こうした「国民の心を一つにする」ものが
日本に活力をもたらすと思います。
オリンピックなどもその一つですから大事にしたいですね。

(月尾先生)
絆ということで言えば、
私は6年間世界の先住民族を訪れて
テレビ番組をつくったことがありますが、
帝国主義時代に欧米に侵略されて帰属する集団がなくなった民族が
現在いかに悲惨な生活をしているか
ということを知ってほしかったのです。

日本の若い人の中に、
国家など必要ないというバカなことを言う人もいますが、
自分が帰属する、つまり絆を持つ集団のない人々が
いかに悲惨な状況かということを、
広く世界を見て知るべきだと思います。

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そうです!!
国民一人一人が日本をダメにしない努力をすべきですね。
それぞれができることをして頑張りましょう!!

  

2015年2月2日月曜日

「当たり前の経営」と言いますがたいへんな変革の実現報告です!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 SCSK殿の経営革新事例を知っていただく。
 残業を削減しても会社は回り
  高収益が実現できる道があることを知っていただく。
 経営革新にはトップのリーダシップが鍵である
  ことを再認識していただく。
 

ねらい:
 社長さん!!リスクを冒して意思決定していきましょう!

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「当たり前の経営」という本が、
ダイヤモンド社から12月11日に出ました。
副題は「常識を覆したSCSKのマネジメント」で、
SCSK社の最近の変革をレポートした内容です。
















「常識を覆した」ということと「当たり前」の組み合わせに
違和感がありますが、こういうことです。

例えば、「残業をしないで生産性をあげて高収益を実現する」
本来当たり前のようですが、実際にはできていません、
残業をしないで会社が回るわけがない、
と多くの人は考えています。

それが常識です。
しかし本来当たり前のことにチャレンジしたらできた、
というのがSCSK社の事例なのです。

著者は、野村総研OBで明治大学大学院教授をされている
野田稔さんという方です。

野田さんは、
SCS社とCSK社が合併した際に、
両者幹部の融合研修を担当されました。
それ以来顧問的に関わってこられましたので
同社の状況に精通しておられます。

SCSK社は、情報サービス業界の方は当然ご存じですが、
昨年10月に
日経新聞社が主宰している「人を活かす会社」ランキングで
富士フイルムホールディングス等を抑えて堂々1位を獲得し、
広くその存在が知られるところとなりました。

人を活かす会社にするために
同社がとった施策は以下のとおりです。
 オフィス環境の改善 
  1人当たりオフィススペースの倍増
  食堂・診療室・マッサージ室の設置
  休憩室も拡大  
 裁量労働制の導入
 
 残業半減 
  現在1か月平均20時間まできた。
 有給休暇取得率95%
 女性活用の施策 
  女性ライン職(部長・課長)育成プログラムの設定
  キャリアサポート制度
  育児休業からの職場復帰支援プログラムの設定
  復職支援金制度
  有給休暇の時間単位取得制度

などを実施しておられます。

これらは、他の企業で導入済みのものもありますが、
今一歩踏み込んでいるものもあります。

いずれにしてもそれらの制度等を
矢継ぎ早に実施しておられるところがスゴイのです。

それを推進しているのは経営トップである
中井戸信英会長兼CEOです。

会長名で社員家族あてに
禁煙(「奨励金を出します」)や有給休暇の取得について
家族の協力をお願いする手紙を発送するなども行っています。

信念でこうと思うことをどんどん実施しておられるのです。
たとえば、
「残業が多くて疲れていて質の高い仕事ができるわけがない」
の思いが本格的な残業削減促進に繋がっているのです。

普通だとラインマネージャは
「そんなことをしたら仕事が回らない」
などと抵抗しそうなものですが、トップの強い意志となれば
抵抗もできません。

何とかやりくりできるものなのです。
もちろん会議の改善などの対策は取っていますが、
社員1人1人の心がけの方が効くでしょうね。

やはりトップの力は凄いと思います。
会社を変えられるのはトップしかありません。
トップの力以外で会社が変われたという例を私は知りません。

これからのスピードが命の変革の時代には
ますますそうなるでしょう。

優れたトップのイメージは
 稲盛和夫さん、
 日本電産の永守重信社長
 ソフトバンク孫社長
 楽天の三木谷社長
 ユニクロの柳井正社長
とかですが、

人のみが経営資源である情報サービス業界において、
トップのリーダシップで一流会社を作り上げることができる
ことを示された
中井戸会長の貢献は非常に大きいと思います。

残業削減は、社員の健康配慮と
疲れていては質の高い仕事ができるわけがない
という思いから始めておられます。

初めは先を読んでいたのではなく、
収益減を覚悟していたのだそうですが、
結果は増収、増益、増配となりました。

以下の好循環が回ったのです。

 残業しない 
  ↓
 業務の効率化 
  ↓
 ゆとりの発生
  ↓
 先を考えるようになる
  ↓
 夢を描く
  ↓
 ワクワク感が生まれる
  ↓
 元気な職場になる
  ↓
 さらにゆとりが生まれる

そこで社員たちは、
これから先のことを考えるようになっているのだそうです。

以下本書からの転載です。社員の発言です。

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正直、合併以来、厳しい現状が続いています。
残業をなくすために、へとへとになっているところもあります。
そこを頑張るためには、目指すべきところがないと無理です。

それは夢のような世界です。

今、わが社がグローバルと言うと、
『日本企業の海外進出を支援する』というレベルに留まっています。

中井戸さんにしても、珍しく、
海外企業向けの仕事については『慎重に進める』を口にします。

確かに現実的なメッセージですが、
そこを超えるのが
次の世代、さらにその次、その次かもしれないですが、
私たちの使命だと勝手に思っています。

繰り返しますが、海外企業から注文が飛び込くる、
そんな”一流”企業になりたいのです」
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ITはずっと以前から『経営に欠かせないインフラです』
と言われています。

でも、それにしてはそこまで活用されていない。
日本企業のITは、まだまだ泥臭い作業の効率化に寄与する
程度に留まっています。

特に大企業はそうなので、
新しく世界に出ることのできるサービスは
全部、ベンチャー企業に持っていかれています。

そうした産業の位置付け、
産業構造を変えるリーディングカンパニーになりたいですね。

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「僭越ながら、もし自分が経営者であれば、
研究開発の一環として、いくつかのテーマを決めて、
親会社、グループ企業とコラボレートして、
さまざまに社会的な実証実験を仕掛けます。

1万何千人を養うためには、
既存のビジネスモデルは
維持しなければもちろんいけないわけですが、
10年後を見据えた活動を、
水面下では始めるべきだと思っています。

それで一つずつ確実に成果を上げる。
成果が上がれば、少しずつそちらの事業化に取り組み、
シフトさせていく。そんなことをやりたいですね。

働き方改革に関しては、
せっかくこういう取り組みが始まっているので、
業界のリーダーになるために、
この動きを継続して、さらに課題があれば潰していき、
本当に生産性の高いホワイト企業というブランディングを
確立していきたいと思います。

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商社を親会社に持つというのが、
当社の特色の一つだと思うので、
ビジネスを企画し、プロデュースするところから、
一緒に組み立てていくような取り組みを全体として
いくつかやっていきたいと思います。

足元で思うのは、スマチャレもそうなのですが、
時間をコントロールしやすくするためには、
仕事を受ける側ではなく、つくる側になる必要があると
思います。

これもビジネスプロデュースに帰結するのかもしれませんが、
いわばこの業界でも上流に位置することが、
つまりは大切なのだという意識が強くなってきました。

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ほんとうにこういう状況が実現するのならマジックに近いです。
中井戸会長はマジシャンだ!ということになります。

つくづく思いますが、頑張るのは社員ですが、
会社を変えるのはトップである、ということです。

最後に、
SCSK社主催の「働き方改革」セミナー(1月21日開催)で
日本能率コンサルティング田中良憲チーフコンサルタントが
「早くカエル!「オフィスワークの働き方をカエルメカニズム」
と題した講演で提唱されていた5つのメカニズムで、
SCSK殿の活動を整理してみます。

1.明確で強い全社方針
  これ以上はないというくらいの中井戸会長のリーダシップです。

2.実態の見える化
  残業削減・有給休暇取得状況を全社で見えるようにしました。

3.ノウハウ・ルール設計
  有給習得促進のための制度、
  女性活用の各種制度等を作りました。

4.ドライブとなる組織の編成
  人事グループの中に会長直結の推進組織を設けました。
  人事グループ副グループ長人材開発部長の河辺恵理さんも
  ずい分会長の特命事項を担当されたようです。
  河辺さんは同社初の執行役員です(14年4月就任)。

  河辺さんとは、私がSCS殿とのご縁ができた頃からのご縁です。
  積極的な才女だな!という印象でした。
  当然のご出世でしょうね。
  まだまだこれからを期待したいです。

5.チェンジマネジメント(成果の還元) 
  削減された残業代を社員に還元(分配)する仕組みを作りました。
  
  これはなかなかできないことです。
  したくないのではなくて
  公平で客観的な基準が設定できないということで実現しないのです。

  「これでやってみよう!」というトップダウンでなければできません。

SCSK殿にはこれからも、「日本的サービス業」の実現モデルとして、
情報サービス業界の先駆者であり続けていただきたいと思います。

 

2015年2月1日日曜日

日本のイスラム国対応はどうだったのでしょうか??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 イスラム国人質事件について考える。
 日本人の「優しさ」について考える。

ねらい:
 理詰めの考え方にもう少し強くなりましょう。
 
 
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2月1日未明、残念ながら後藤健二さんが
殺害されてしまったようです。

先ずは、残されたご家族、特に娘さんお二人に
激励の言葉をお送りしたいと思います。
後藤健二さんの無念はいかばかりかと思います。
お父さんの分も合わせて頑張って生きてください。

この事件に関してはいろいろな見方ができます。
政府の対応は万全だったのかという意見は少数派で
政府はやるだけのことはやったというのが巷の評価のようです。

私も政府は可能な限りの努力はしたと思いますが、
ご遺族には申し訳ないのですが、
そこまで政府がやるべきことだったのかと思います。

例:1月29日、安倍総理が衆院予算委員会に出席するなか
 菅官房長官が途中退席するなどして対応を協議、 
 首相は30日未明まで首相公邸で待機して報告を受けた。 
 正副官房長官らも官邸に残り
 現地との連絡や情報の収集にあたった。
 (1月30日日経新聞)

1月20日に2人が人質で2億円の請求があってから10日間以上
政府関係者はたいへんな労力を費やしています。

1人か2人の命、それも
自ら覚悟をしリスクを冒して出かけている人間の命を守るために
総理以下がそんなにエネルギ-を使うべきなのでしょうか。

生活保護が行きとどかなくて死んでいる人が
毎年たくさんいるではないですか。

これからの高齢化社会でますますそのような人が増えるでしょう。
これからの社会保障のあり方や
それを支える若い人を増やす対策(少子化対策)を考える方が
重要ではないですか。

アメリカはテロには屈しない、人質交渉には応じない、
とはっきりしています。
個人の命よりも公共の利益を優先しているのです。

なぜ日本はこういう風に優しいのでしょうか。
同一民族思想から来ている1億総家族意識なのでしょうか。
家族なら当然その命を救おうとしますね。

しかし世界で生きていくためには、
もっと広い大局観・世界観を持たないといけないのでしょうね。
その点からすると、
安倍総理は結構いい線行っているのではないでしょうか。

10日間の政府関係者の協議は
人質をどう救うかではなく、
これ以上日本人が人質にならないようにするための対策の協議
であってほしかったと思います。
どうなのでしょうか??

2月8日追記
当然の流れですが、現在そのような検討が本格化しています。

外食産業低迷!!残念なお知らせです!


【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 外食産業の状況を知っていただく。
 (その状況は日本の消費者の縮図です)
 当社の研修の受講生たちの多くがご存じの中華料理店
 「旺シン楼」が閉店することを知っていただく。
 
 「旺シン楼」を追悼します。

ねらい:
 「旺シン楼」の後継を探さねばなりません。
  

 注:シンは金をみっつ重ねた字です。

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1月27日日経新聞朝刊に、
「外食、3年ぶり減収」という見出しで
日本フードサービス協会の発表を紹介している記事がありました。

こういう内容です。
・2014年の外食売上高が13年比0.2%減った。
 前年実績を下回るのは3年ぶり。

・ファストフードが2.1%減
 (日本マクドナルドの低迷が足を引っ張った。
 同社は使用期限切れ鶏肉問題が発覚した7月以降
 6か月連続の2桁マイナスとなっている)

・パブレストラン・居酒屋は5%減
 (若年層のアルコール離れが響いている。
 かき入れ時の12月に衆院選があり忘年会が減ったのも痛い)

・ファミレスは3.2%増
 (景気回復の追い風もあり、夕食での利用が好調。
 幅広い年齢層に支持されている。

・なかでも焼き肉店は8.4%増で
 「景気回復を受けて、
 ちょっとしたぜいたくを味わいたい家族客が増えている」
 のだそうです。

・少し高くても質のいい商品を求めるという消費者の傾向は、
 食材の値上がりもあり、
 業界全体の客単価を2.7%押し上げた。

・消費増税を受けて節約志向を強めた消費者が外食を控え、
 14年の利用客は13年比で2.9%減った。

・この差引で業界全体の売上が0.2%減となった。

別の情報では牛丼チェーンは好調、
店でひと手間かける高価格メニューに力を入れている
のだそうです。

この状況は納得できますね。
実は当社の周りでも外食産業低迷の影響を受けています。

当社のすぐ近くで5年営業してきた中華料理店
「旺シン楼」が閉店します。

この店は、中国人夫妻が経営してきたのですが、
昨年の売上不振が響きどうにも継続できないというのです。

お昼は以下のようなメニューでいつも満員でした。
写真が不出来で残念ですが、撮り直しができません。
ご勘弁ください。
                                         




 



安いだけでなく美味しいのです。
この値段では満員でも利益には貢献しないのです。

夜もキリンビールの支援も受けてメニューの工夫をしていました。


























サービスメニューは、焼き餃子、おつまみ、飲み物のセットが800円です。























ここの餃子は天下一品で
「この餃子を食べたら他の餃子は食べられない」
という人がいるくらいです。
私も大のファンでいつも2人前くらいを食べます。

この餃子は美味しいのは当然ですが、
材料に特色があります。

私はこの店に案内する人に以下のような質問をします。
「この餃子は特色があるのですが、何だと思いますか?」
今まで当てた人は約100人中2人だけです。

いろいろ答えが出ますが、
当らないので「原材料です」と言います。

そうするとほとんどの人が「何が入っているのだろう?」
と考えます。

実は入っているものではなくて、
入っていないものに特徴があるのです。

そこまで言うと多くの人が当てられます。
そうです「ニンニクが入っていないのです」

餃子というとニンニクという固定観念があるのですね。
ニンニクを入れなくても美味しい餃子ができるのです。
本国でもニンニクを入れない餃子は珍しくないのだそうです。

材料に特色があると言うと、
「何が入っているだろう?」と考えるのは普通の発想です。
「入っていないものは何だろう?」とは、なかなか考えません。
まさに、逆転の発想ですね。

正解になった2人のうちの1人は、
会社の近くの餃子やで
お昼にニンニク抜きの餃子を出しているので知っていました。
会社で臭わないようにしようという配慮なのです。

このお店の人気メニュー第2位は、
マーボ豆腐です。
甘からず辛からずの絶妙なバランスでこれもファンがいました。

3位が何と鶏のから揚げです。
これが中華料理かどうか判然としませんが、
ころもに赤い唐辛子が少し入っています。
多くの人が頼んでいました。

安くて美味しいのになぜ客が来ないのでしょうか。
全般に外食不振という以外の要因を想定してみました。

一つ目は中華料理だということです。
この店はメニューが豊富ですが、
所詮は中華料理で脂っこいものが中心です。
いつもいつもは行かないでしょう。

焼き鳥やとか和風の居酒屋の方が
メニューに幅があります。
何を食べようかという楽しみがあります。

この店をひいきにする私でも、
たまには違うお店に行きました。

もう一つの敗因は店の立地です。
江戸通りを一本中に入っている裏通りに面しています。
知っている人しか来ません。
ここで安い昼食を食べる昼間のお客さんは、
夜、宴会をしてくれないのですね。

この店は、
当社主催の研修やセミナで食事をする際には利用していました。

特に,
保守業務(エンハンス業務)の改善プロフェッショナルを養成する
Sweeper養成講座では
半年の研修の間に10回ほど利用しています。

キックオフと締めでは夜の宴会、
それ以外の回は昼食です。
昼食では前掲のメニューから皆様がお好みで選ぶのです。
これが楽しみでした。

初めは自由に選択していましたが、
それだと揃うまでに時間がかかるので
途中からは早い者勝ちで5種類までとしました。

お昼には自己責任でビールも出しました。
感激した人がいました。

そういうことでしたから、
この店に思い入れのある人も多いはずです。
廃業は誠に残念なことです。

経営者もずい分努力したのですが
世の流れには逆らえないのですね。

これからは夫婦(まだ小さなお子さんが2人いますが)
でどこかで働くか、
いい店が見つかればまたやりたい、とのことです。

可愛いお子様のためにも頑張ってほしいです。