目的:
以下、「システム部門」は「システム部門・情報子会社」と読み替えてください。
第3世代のシステム部門とは何かを知っていただきます。
第3世代のシステム部門は何ができなければならないかを
再確認していただきます。
第2世代のシステム部門は何をしなければならないかも
再確認していただきます。
これからそれらを研究する研究会が開催されることを知っていただきます。
ねらい:
これからシステム部門・情報子会社をこの世代観を持って見てください。
できれば「明るいシステム部門・情報子会社の方向性を探る!」
研究会にご参加ください。
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日本のIT活用、特に事業競争力強化に直結する
ICT活用ビジネスの開発が遅れているということで、
経済産業省が旗振りをして
「攻めのIT経営銘柄」を選定したのをご存じでしょうか。
http://www.meti.go.jp/press/2015/05/20150526003/20150526003-2.pdf
私がその18社の代表的システムについて以下の区分をしてみました。
A:IoT要素あり事例、
B:ビッグデータ分析要素あり事例
C:顧客サービス向上事例、
D:経営戦略対応社内システム整備事例
E:社内基幹系情報システム(一部推定を含みます)
区分
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企業名
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業種
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主な取組み
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(Tはタブレット利用)
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A
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小松製作所
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機械
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建設機械にセンサーを組み込み、保守サービスを高度化
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A
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ブリヂストン
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ゴム製品
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建設・鉱山車両用タイヤの空気圧や温度情報を運転者・管理者に提供
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AB
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日立製作所
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電機
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社会インフラ事業で顧客の現場から稼働情報を収集・分析し事前保守を実現
|
AB
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大阪ガス
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電気ガス
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ガス機器の運用情報を集積し補修時間の短縮等を実現
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B
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三井物産
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卸売
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人工衛星によって収集したデータを分析し、農業生産改革を目指す。
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B
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アルファポリス
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情報
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CGMサイトを運用し、人気のある原稿を書籍として出版
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C
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東京センチュリー
リース
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金融
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リース資産の契約情報・履歴情報を一元管理するASPサービスを提供
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C
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トッパン・
フォームズ
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印刷
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複数ブランドの電子マネーに対応したクラウド型決済プラットフォームを提供
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C
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東日本旅客鉄道
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陸運
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T 駅員・乗務員にタブレットを配付し、輸送災害発生時の迅速な対応・ご案内に活かす
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C
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積水ハウス
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建設
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T CADの設計データと住宅建築の各工程と連動させ邸別情報の一元管理を実現
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C
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三井住友
フィナンシャル
グループ
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銀行
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T 質問応答システムの回答用DBをつど更新レベルアップ
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D
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JFEホール
ディング
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鉄鋼
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海外工場向けに標準化した販売・生産・原価管理システムを構築
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D
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アサヒグループ
ホールディング
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食料品
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グループ共通の需給・生産管理、調達、原価計算等の基幹業務システムを構築
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D
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日産自動車
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輸送機器
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海外工場に短期導入できる標準パッケージを開発
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Eは、その完成度は別として従来型の情報システムです
(東レ,東京海上HD,ニコン,エフピコですが上表では掲載省略しています)。
Dも、経営戦略的意義を別にすれば、従来型の情報システムです。
Cは、顧客サービスの向上を狙いとしている点で、
事業競争力強化に繋がりますが、技術的には必ずしも新しくありません。
これに対して、BとAはITとして新技術を活用しています。
情報システム部門は、
このようなシステム構築を支援できるようにならなければならない、
と期待されているのです。
別項「『コンテキストの時代』って分かります?」でも
新しいICT活用の事例をご紹介しています。
しかし「現状のシステム部門はそういう面ではほとんどダメ」というのが
「SEは死滅する」の木村岳史さんの主張です。
実は、1990年頃には、
「SISに対応できないシステム部門の危機」
「ダウンサイジング時代をむかえ解体を迫られるシステム部門」
「解体そして再生の道探る情報システム部門」
「変革を迫られた情報システム部門の実像
-情報システム部門が崩壊する」
というように既に木村さんが言われるような論調があったのです。
私は、
1995年に「システム部門変革ガイドブック」を出版しました。
この時の主張はこういうことでした。
第1世代のシステム部門時代は、
コンピュータ利用は専ら「業務の機械化」だった。
したがってシステム部門のSEが主役を担うことができた。
しかし、業務の機械化が一巡すると、今度はコンピュータを使って
新しい業務の方法を創造することになった。
何をしたらよいかは、システム部門の要員では分からず、
主役は業務を担っている各部門に移った。
ではシステム部門は何をするかということですが、
それは以下のようにたくさんある、それをきちんとやりましょう、
というのが私の主張でした。
インフラ整備
|
・ コンピュータおよびネトワーク設備
・ ツール系ソフトウェア(含む開発ツール)
・ 開発方式(開発方法論・手法
(システム企画の方法論・手法が特に重要)
・ データ項目の管理
・ セキュリティの管理
|
(各部門に対する)
指導・援助・調整 |
・ インフラ利用の技術指導
・ 先進的システム企画の提案
・ 先進的システム開発・業務革新の推進
・ 部門間システム連携の調整
・ 力不足部門の手助け
(本来は上記「インフラ整備」の内容に従って
各部門責任で実施すべきであるが、
できない部門は手伝いましょうという趣旨)
|
システム・
リテラシの向上 |
・ 各部門の部門内SA(システムアナリスト)の育成
・ ローテーションによるシステム企画者の育成
・ 社内のシステム企画能力向上
・ 社内の情報リテラシ向上
|
ところが、それをきちんとしなかったので(しなかったシステム部門は)、
木村さんに「もうダメだ」と言われる羽目になったのです。
現状がどの程度この要求を満たしているかを点検するチェックリスト
(エクセル)を作成しました。
関心ある方はご利用ください。
http://www.newspt.co.jp/data/kenkyu/yaku.xls
今は、第2世代が終わって第3世代です。
冒頭にあげた
「事業競争力強化に直結するICT活用ビジネスの開発に積極的に参画する」
ことが期待されているのです。
これができないとシステム部門は、
間接部門、コストセンターの位置づけに甘んじなければなりません。
「システム部門変革ガイドブック」の1995年には
第2世代までしかありませんでしたが、
現在始まりつつある世代を第3世代としますと、
以下の表のように整理できます。
システム部門
の世代
|
年代
(先端的事例の場合)
|
役割
|
第1世代
|
1955年~1985年
|
業務機械化推進の主役
|
第2世代
|
1985年~2015年
|
ビジネス強化システムの運営
(主役は各部門)
|
第3世代
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2015年~
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第2世代の役割、プラス
ICT主導ビジネスの開発支援
|
そこで当社では、これからの第3世代のシステム部門をどう築き上げていくかを
研究する研究会「明るいシステム部門・情報子会社の方向性を探る!」
を企画しています。
以下のURLをご参照ください。
http://www.newspt.co.jp/data/kenkyu/akaruiken.pdf
ご関心ある方は以下にお問い合わせください。
お問い合わせお待ちしています。
mind-pc@newspt.co.jp