2014年6月28日土曜日

集団的自衛権問題を考えてみる

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 集団的自衛権問題に関連して
 「目的は何か」を考えていただく。

ねらい:
 「目的は何か」を実現する価値で考える
 「価値目標思考」に関心を持っていただく。
 
  http://www.newspt.co.jp/data/info/book/book4.pdf

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もめにもめましたが、自民党と公明党の
集団的自衛権の行使に関する与党合意が
成立したようです。

日本国家の安全保障に日ごろ関心の薄い国民も、
この問題は少しは気にしたようです。

その証拠の一つが週刊誌で取りあげられたことです。
その一例として、週刊文春6月26日号の
「中国がほくそ笑む公明・朝日の売国オウンゴール」
があります。

タイトルは当時の関心事にひっかけてあり、
なかなかのセンスですが、内容も私から見ると
案外冷静・正当な内容でした。

この記事に以下のアンケート結果が紹介されていました。
回答者は、週刊文春のメルマガ読者761人

質問1:
 集団的自衛権の行使容認に賛成ですか?反対ですか?
  賛成:500人(66%)
  反対:261人(34%) 
  (上野コメント:分からないがいないのですね)

質問2:
 自民党と公明党の連立政権継続について
                   賛成ですか?反対ですか?
 反対:82%
 (上野コメント:賛成は公明党支持者でしょうか)

同誌上で紹介されていた反対者の意見に
こういうのがありました。

「公明党は与党に組み込まれて埋没してしまった。
公明党に与するものではないが、
大臣ポストなど返上し、
党の理念の初心に帰って
平和国家を提唱すべきではないか」

集団的自衛権の行使を否定=「超」平和主義
というイメージがありますので、
そうか公明党は平和主義なのかと思いました。

平和を望むことは誰しも当然のことでしょう。
しかし、平和は最終的には個人の幸せに繋がってこそ
意味があります。

平和主義を唱え
「暴力はいけません。武力はいけません」
と言うだけで
他国に滅ぼされてしまうのは誰も望まないでしょうに。

つまり平和は、
人間または社会の最終目的ではないのです。
幸せが最終目的です。

したがって公明党が、
平和主義国家を標榜するならおかしなものだ、
と思って、念のため公明党の綱領を確認しました。

そうしましたら、
綱領の第1項のタイトルがこうなっていました。

<生命・生活・生存>の人間主義
(上野注<生命・生活・生存>重視の人間主義
という意味でしょう)

その項の説明の中に以下の文面があります。
「人間尊重は(中略)
そして今日においては、平和にしても開発にしても
すべては究極目的である人権の実現――
人間が人間らしく平和に幸せに生きることの保障である
との位置づけがなされるに至っています」

分かりにくい文章ですが、
人間の幸せを最終価値としていること、
人間の生存を重視していることを示しています。

だとすれば、集団的自衛権の行使は必須でしょう。
その点を自民党側は突いたのでしょうか。

日本では、前大戦の反省から
戦争反対、戦争は絶対悪という価値観がはびこっています。
平和ボケ国民と言われるゆえんです。

戦争がないことや平和が絶対価値ではないことを
肝に銘ずべきでしょう。

国があってのものでしょうが。
国の存立の危機があるのなら
その対応をするのは当然の行為であり責任ですね!

6月29日追記
本日の日経新聞朝刊に「公明 地方から慎重論」と題した
報道の中に以下の内容が入っていました。

 公明党は28日、当本部に全国の地方組織の幹部を集めた
 県代表懇談会を開いた。
 政府が検討する集団的自衛権の行使容認を巡り、
 「平和の党」を掲げる方針に合わないとの
 慎重論が相次いだ。

やはり、公明党は平和の党を標榜しているのですね。
上で解説したとおり、
平和第1主義は党の綱領に合致しません。

国の施策中枢から離れる地方は
観念論がはびこるのでしょう。

公明党幹部はこの慎重論は乗り越える覚悟のようです。

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