2011年2月13日日曜日

「不合理だからすべてがうまくいく」?

 ダン・アリエリーという米国デューク大学行動経済学の
 教授の書いたこのタイトルの本を読みました。

 人間の行動は合理性に基づいているとは限らない、
 むしろ非合理の面が多いのだ、ということを主張しています。

 その非合理性の論点は以下のとおりです。
 なうほどと思うことが多いです。

 1.高い報酬は逆効果を生む(ストレスの影響で)
 2.喜びが得られない仕事は真剣に取り組まれない
 3.自分で作ったものを過大評価する(イケア効果と名付け)
 4.自分で生み出したアイデアを高く評価してしまう
 5.復讐は人間の奥深い本能だ(軽視してはいけない)
 6.人生を変えるほどの大きなできごとにも順応してしまう
   (ゆでガエル現象)
 7.人間の不合理な性質を考慮に入れない
   商品やサービスは必ず失敗する
 8.人は大勢の苦しみより、一人の苦しみの方に
   心を動かされるようにできている
 9.感情がすく消えるが、いっときの感情にまかせた決定が
   長い間にわたって行動を左右することがある
 
 この本の序章で著者はこう言っています。

 「やるべきことを先延ばしにしたことなんかない」
 という人はいないだろう。
 長期的な目標のために短期的な犠牲を払えない例は
 どこにでも転がっているということだ。

 (上野注:やるべきことは
 意義があるからやるべきと思うのですが、
 やることには負担や苦痛を伴います。
 この負担や苦痛に負けてしまうのです)

 この点は、私たちが「価値目標思考」で
 主張している点と同じです。

 価値ある目標を実現したい、
 例えば体重を減らして健康になる、美しくなる、
 とは誰しも思う。
 しかしそのためには、ダイエットをする、運動をする、
 という苦行をしなければならない。
 目標を強く意識できる人は
 苦行に耐えられるけれど、
 その意識を強く持たない人は挫折してしまう
 (三日坊主です)。

 ここまでは、普通の主張でしょう。
 ところが、この著者は自分の経験から
 苦行を乗り越えるための
 たいへんいいヒントを述べています。

 著者はC型肝炎に罹り、この治療で
 インタフェロンを注射しなければなりませんでした。
 この注射はたいへんな副作用
 (猛烈な頭痛や吐き気等)があります。
 著者はその副作用のひどい時間に
 自分の好きな映画のCDを観ることにしました。
 こうして18カ月後にこの治療は成功したのです。

 つまり、普通の人間は、
 長期的な目標だけでは自制できなくて、
 苦行には楽しみや喜びがついていないとだめだ、
 というのです。

 なるほどそうです。
 私は健康維持のために
 50年近くも朝のジョギングをしていますが、
 走る時に周りの風物の変化や人間特に女性の動きを
 見るのを楽しみにしています。
 ルームランナだったら1週間も続かないでしょう。

 英会話を自習するテープの類もそうですね。
 通信教育もそうです。
 よほどのインセンティブないと継続できません。
 私も過去、通信教育は完了したことがありませんでした。

 ということで、今後は
 「WHY(目的・ねらい、価値目標)を達成しようとする
 HOW(苦行)を実施するときには、 
 その苦行に楽しみが伴う工夫をすべきです」
 とガイドすることにします。


 

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