2010年11月14日日曜日

日航 「収支管理を1便ごとに」

 こういう見出しの記事が
 少し前ですが10月2日の日経新聞に載っていました。

 親方日の丸と言われる日航は、
 あらゆることがどんぶり勘定だったのでしょう。

 収支が悪化していて改善しようとしたら
 どこが悪いかを見極めなければなりません。

 再建に乗り込んだ稲盛会長としては
 製造業の感覚からして当然のことだったのでしょう。

 製造業や流通業の人たちから見れば
 「そんなこと今までやっていなかったのか!」
 という感想でしょう。

 儲かっているときは、
 そんな計算にコストをかけることはない、
 という感じも分かります。

 このことで思い出すことがあります。
 私は、長らく食品流通業のシステム面の
 お手伝いをしていました。

 食品流通業は粗利(売買差額)が数%で、
 儲けが薄い商売です。
 
 この企業でもどんぶり勘定から始まりました。
 その頃は赤字でした。
 最後は、取引先別・単品別の損益、
 それも物流費なども配賦したほぼネットの損益を
 毎日見れるようになりました。

 ここまでやる必要があるのか、
 という意見も経営者の中から出ました。
 
 しかし、採算管理を厳しくするという目的以外にも、
 営業がいい加減な取引をするとすぐ表面化する
 というけん制効果もありました。
 営業は、業績管理が厳しくなると
 あの手この手のうら手口を考え出しますからね。
 
 分かるようになっているということは
 内部統制上、非常に大事なことなのです。

 システムは、一度その仕掛けを作ってしまうと
 定常的にはそんなにコストがかからないのが
 利点です。

 稲盛会長には
 どんどん親方日の丸にメスを入れて
 日本の空輸企業を再生させてほしいものです。

 

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