2010年4月16日金曜日

病院の改革

 やはり、日曜朝のテレビ番組で、
 北海道赤平市の市民病院のことが報じられていました。
 
 赤平市は赤平炭鉱が閉鎖されて以来、
 核となる産業が無く過疎となって高齢化が進み、
 市民は65歳以上が4分の1以上となりました。
 
 ここの市立病院は、
 炭鉱がまだ残っていたころに建てられた立派なものですが、
 最近はずっと大幅赤字です。

 何度か閉鎖の危機に見舞われながら存続してきていました。
 ここに敏腕の事務長が乗り込んで
 奮戦していることが番組の中心でした。

 この事務長は、
 診療科ごとに分散している看護師を集中してセンタ化しよう
 という対策を考えました。

 ところがそのためには、
 看護師は他の科目の知識も持たなければなりません。

 当然、現場の看護師からは、
 「すべての科の知識・技能を身に付けることはできない」
 という反発が起きました。

 「できるか、できないかではなく、
 必要なのだからどうすればよいか、と考えるべきだ。
 全部ではなく3つが担当できるようになれば前進だ」
 というのが事務長の意見でした。

 そのとおりです。
 システム企画研修㈱の提供する問題点連関図手法だとどうなるでしょうか。

============================
 
 まず、「今のままだとどうなるか」
 を問題点連関図右方展開で追求します。

 その追求結果は、
 「適切な処遇ができない」
 「進んだ診療に必要な投資ができない」などを経由して
 「医師がいなくなる」
 「患者が来なくなる」
 「看護師も辞めていく」
 
 そうすると「看護師の負荷が過重となる」
 「さらに看護師が辞めていく」
 「ますます看護師が大変になる」等々と進み、

 ついには
 「病院を閉鎖しなければならない」
 に到達してしまいます。

 「そうなりたくない」とみんなが思えば、
 「いつまでにどの程度の改善をしなければならないか」
 という改善目的設定が可能となります。

 いつまでに、
 「医師の処遇(勤務体制・給与)をこうする」
 「診療・入院設備の改善をこうする」
 「看護師の処遇をこうする」
 となります。

 その上で、その目的の実現策の検討を行います。
 「そうするにはどうしたらよいか」
 と前向きの検討が行われるのです。

 そうなれば、
 「それはできない」という意見は出ません。

 事務長だけが孤軍奮闘するのではなく、
 全員参加型で検討を行えば、
 どんどん改善策が見つかります。
 日ごろの問題意識が前向きのエネルギとなって爆発するのです。
 
 病院だけでなく、
 行き詰まった組織の改善にはこのような方法がぴったりです。
 問題点連関図の出番は、今の日本でまだまだたくさんありそうです。
 

0 件のコメント: