やはり、日曜朝のテレビ番組で、
北海道赤平市の市民病院のことが報じられていました。
赤平市は赤平炭鉱が閉鎖されて以来、
核となる産業が無く過疎となって高齢化が進み、
市民は65歳以上が4分の1以上となりました。
ここの市立病院は、
炭鉱がまだ残っていたころに建てられた立派なものですが、
最近はずっと大幅赤字です。
何度か閉鎖の危機に見舞われながら存続してきていました。
ここに敏腕の事務長が乗り込んで
奮戦していることが番組の中心でした。
この事務長は、
診療科ごとに分散している看護師を集中してセンタ化しよう
という対策を考えました。
ところがそのためには、
看護師は他の科目の知識も持たなければなりません。
当然、現場の看護師からは、
「すべての科の知識・技能を身に付けることはできない」
という反発が起きました。
「できるか、できないかではなく、
必要なのだからどうすればよいか、と考えるべきだ。
全部ではなく3つが担当できるようになれば前進だ」
というのが事務長の意見でした。
そのとおりです。
システム企画研修㈱の提供する問題点連関図手法だとどうなるでしょうか。
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まず、「今のままだとどうなるか」
を問題点連関図右方展開で追求します。
その追求結果は、
「適切な処遇ができない」
「進んだ診療に必要な投資ができない」などを経由して
「医師がいなくなる」
「患者が来なくなる」
「看護師も辞めていく」
そうすると「看護師の負荷が過重となる」
「さらに看護師が辞めていく」
「ますます看護師が大変になる」等々と進み、
ついには
「病院を閉鎖しなければならない」
に到達してしまいます。
「そうなりたくない」とみんなが思えば、
「いつまでにどの程度の改善をしなければならないか」
という改善目的設定が可能となります。
いつまでに、
「医師の処遇(勤務体制・給与)をこうする」
「診療・入院設備の改善をこうする」
「看護師の処遇をこうする」
となります。
その上で、その目的の実現策の検討を行います。
「そうするにはどうしたらよいか」
と前向きの検討が行われるのです。
そうなれば、
「それはできない」という意見は出ません。
事務長だけが孤軍奮闘するのではなく、
全員参加型で検討を行えば、
どんどん改善策が見つかります。
日ごろの問題意識が前向きのエネルギとなって爆発するのです。
病院だけでなく、
行き詰まった組織の改善にはこのような方法がぴったりです。
問題点連関図の出番は、今の日本でまだまだたくさんありそうです。
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